アンケートより 


 今回は「ジェームズ・タレル」展と「いばらきバイアニュアル・ディアロゴス '96-現代性の条件」展から、ボランティアのメンバーが土・日曜日に行っている「ギャラリートーク」についての皆さんのご意見をのせてみました。


■そもそもギャラリートークとは?

 毎回次のようなご意見を多数いただきます。


○ギャラリーに入ってから20分足らずで退室したご夫婦がいらっしゃいました。もう少しわかりやすい展示なり説明なりをした方がよいかも。

(23歳 男 江戸川区)


○説明がないと理解が難しい展示もあったので考慮してほしいと思いました。(31歳 女 友部町)
○私は作品説明を聞きながら見て歩いたのでわりと理解できたつもりだが、それを聞かずにただ見てるだけの方々はわかりにくかったはず。

(21歳 女 品川区)


 ボランティアメンバーによる「ギャラリートーク」は毎週土曜と日曜の2:00〜/3:30〜の二回にわたって行われます。ボランティアメンバーは、それぞれ会社員・主婦・教員など肩書きは様々ですが、ARTを愛好する点ではみな同じです。メンバーは毎回事前に勉強会を行い、作品に対する正確な知識と自分なりの作品の見方を確認しあいます。とはいえ、専門家ではない我々のトークは発展途上。時にはこのような厳しい批判もいただきます。


○学芸員(*注)はアホばっかりか!ちゃんと教育しろ!ほんまに資格を持ってるのか?

(記名なし)


○係りの人が案内をしてくれたのですが、このようなもの(タレル展)にあまり説明はいらないのかもしれませんが、説明がわかりにくかった。

(25歳 男 渋谷区) 


○途中「ギャラリートーク」をしていて次の部屋へ進めなかったのは問題があると思う。

(25歳 女 金砂郷町)


○学芸員の方の説明で、声のトーンを少し下げてもよいと思いました。

(19歳 女 つくば市)


○ただの説明なのに「ギャラリートーク」という言い方はおかしいと思う。「皆さんと話しながら」というよりは「皆さんに(作品の説明を)話しながら」になってしまっている。ここに来る人は作品説明を聞きたいんじゃなくて、より深く鑑賞したくて集まっているんだと思うんですけど。

(24歳 女 清水市) 


(※注)アンケートに答えてくださった方々が「学芸員」と書かれていたのはほとんどボランティアメンバーのことと思われます。

 

■みんなでつくる「ギャラリートーク」

 さて、こうした批判を糧にしながら、メンバーは「どういうトークをすれば楽しめるか」を日夜考えています。「ボランティアだからこそできるギャラリートーク」もあるのではないか、美術を日常生活の楽しみの一つとして、あるいはコミュニケーションの媒介としてとらえることができないかと考えています。


○「ギャラリートーク」に参加でき、コミュニケーションができたことを幸せに思っています。今までは解説していただけるだけの場だと思っていた事を反省しました。私たちの考えを引き出してくださったスタッフの方に感謝しています。(46歳 女 常陸太田市)
○初めて「ギャラリートーク」に参加させていただきました。今後色々な方のトークを聞くことが楽しみになりそうです。

(29歳 女 阿見町)


○「ギャラリートーク」をしてくださったのでいくらか理解できました。やさしく気分良くお話をして下さいました。ありがとうございました。まだまだ理解できない点が多いのですが少しずつ親しんでいきたいと思います。

(67歳 女 水戸市)


○ボランティアの方に案内してもらった。普段あまり関心があるとはいえない現代美術だが、説明してもらっているうちに作品への興味が湧いてきた。このようなボランティア制度はこの館のみならず、水戸市民に対しても親近感を抱かせる効果があると感じた。ありがとうございました。

(47歳 男)


○今回初めて「ギャラリートーク」を聞きましたが、作品にふれて「何を体験したか」の意見を交換する場のような雰囲気で、たいへん面白いと思いました。

(35歳 女 江東区)


 知らない人同士が目の前の作品についていろいろなことを語り合う。そういう時間として「ギャラリートーク」を使ってもらってもいいと思います。鑑賞者の私たちあっての作品です。感じたこと・思ったことを話してみませんか。私たちボランティアメンバーは解説員ではなく、乗り合わせた船の上でのコミュニケーションがうまくいくよう舵をとる船頭さんのようなものと思ってもらってもよいと思います。とはいえ、いつもコミュニケーションがスムーズにいくとは限りません。このような思いの方もいらっしゃるでしょう。


○「ギャラリートーク」に参加しましたが、今日は人が多くて大変そうでした。この展覧会の性質上、一緒にまわるというよりは、ビデオを流している部屋でレクチャーのようなものを開いた方がありがたいと思いました。

(32歳 女 港区)


 他の人と意見を交換したいと思う人、解説を聞き一人で考えたいと思う方、いろいろです。ボランティアによる「ギャラリートーク」では、その展示の個性や集まってくださった方々の人数にあったトークのあり方を考えていきたいと思います。そしてその中で、自分自身の糧を探しに来られたみなさんのお手伝いができたなら、こんな嬉しいことはありません。


○説明してくださった方が「彼(タレル)自身もはっきりとした目的はわからないと言っています」というのを聞いてものすごく嬉しいし安心したし、自分(芸術家志望)もどうにかなれるかもと思えました。その一言が多分、私にとってすごく、ものすごくありがたくやっと希望をもてた、という気がしました。

(16歳 女 昭島市)


■ボランティアメンバーの仕事

 私たちボランティアは、「ギャラリートーク」だけでなく、この「168」も含め、芸術館をより利用しやすくより身近な存在にするためのメディアになればいいな、と考えています。


○「ギャラリートーク」にはとても興味があります。是非次回は参加したいと思います。ギャラリートーク・168などの積極的な活動は他の美術館もまねしていただきたいです。

(22歳 女 相模原市)


 私は、こうした活動が、芸術館の職員ではなく、芸術や芸術館を愛するボランティアのメンバーで行われることに大きな意味があると考えています。毎回多くの方々が備え付けのアンケートに答えてくださっています。展示の仕方や内容についてなど、みなさんのいろいろな意見や要望が直接反映する芸術館にするためにも、アンケートはとても重要なコミュニケーション手段です。アンケートだけでなく、「ギャラリートーク」や「168」を通じて、皆さんの意見を反映させていこうではありませんか。どうぞこれからもいろいろなご意見・ご要望・ご感想をお聞かせ下さい。お待ちしています。 (文責 下山田)

*本ページの内容は、1996年10月1日発行当時のものです。


[Vol.6 CONTENTSへ]
[168 トップページへ] [ボランティア トップページへ] [ファン倶楽部ページへ]
[現代美術センターへ] [水戸芸術館トップページへ]


本ページweb版「168」は、水戸芸術館現代美術センターボランティアと水戸芸術館webstaffとの共同作業により完成しました。本ページに関するお問い合わせも、水戸芸術館webstaffが承ります。
Copyright ©1999 Mito Arts Foundation. All Rights Reserved.
Mail to: webstaff@arttowermito.or.jp