特 集
cafe168をさがそう(2)
■演劇部門:出会いの場を共有する
演劇行為というものが人と人との出会いの場である以上、我々は出来うるかぎりのたくさんの人間と共通の目的のもとに出会いたいと考える。事実、大勢の人間たちと出会いの場を共有してきた。子供演劇アカデミー、中学校演劇ワークショップ、高校演劇講座、市民演劇学校、それらすべては演劇人としての欲求の先の行為であり、例えば舞台上で作品を上演することと基本的に何も変わらない。その時間、その場所からどれくらいのものを手に入れることができるか。おたがいにどれだけの有意義な時間と空間を体験できるか。翻って考えると芸術行為が絶えず自分以外の存在との関係の上でしか成り立たないものである以上、自分たちだけで出来うることなどたかが知れているのである。自分というものがどれだけ自分以外のパーツで組み立てられているのか、その確認としての機能の場として演劇の存在理由が確認され保証される状況としての水戸芸術館であるために。その意味において公演を舞台に掛けること以外のことを公共施設としてのエクスキューズとして位置付ける考えは、こと創造の現場において成り立たない、というより意味がない。
WALK
劇団ACMの自主的な発案で「よむ言葉〜Play to thegallery」というタイトルで朗読会を企画し、月に一度のペースで開催している。この朗読会では実験的な声の表現行為と究めてオーソドックスな朗読という二つの事象のあいだで様々なことを試みるつもりである。テキストは毎回決められたテーマに沿って選ばれるが、広くリクエストも募っている。興味のある方は是非選び、聞き、見て、参加してもらいたい。作家に対するイメージ、選者の思い入れ、読み手の作品解釈、登場人物の声、そしてライブデモストレーションの一回性のなかでの空気の交換。黙って見ているだけではつまらない。あなたが思うようには決して読まれることのない物語の場を目指しているので。(水戸芸術館ACM劇場専属劇作家・演出家 長谷川裕久)
*本ページの内容は、1998年3月31日発行当時のものです。
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