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2007年 9月14日(金) 公演「ブーレーズの肖像」ルツェルン・ニュース -- 余韻 -- 笠羽映子 |
| (Photo: Philippe Gontier) | |
エッセンでの様子もできれば現地に出向いた人物に聞いてみたく思っているが、このニュース -- 余韻 -- では、6日の演奏会終了後にお見かけし、声をかけてみたヒラリー・サマーズさんについて少し述べておくことにしよう。
イギリス出身で、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック、国立オペラ・スタジオで学んだサマーズさんは、バロック音楽の領域で、アカデミー・オブ・エインシャント・ミュージック、キングス・コンソート、レザール・フロリサンといった団体と、したがってJ. E. ガーディナーやウィリアム・クリスティといった指揮者と一緒に仕事をする一方、現代音楽の領域では、エリオット・カーター(1908年生まれのアメリカの作曲家で、来年のアカデミーでは、メシアンとともに生誕百周年が祝われる予定の、しかも未だ現役で活躍している驚くべき人物)のオペラ『What next (次は何) 』の初演(1999年、ダニエル・バレンボイム指揮、ベルリン州立歌劇場の演奏)でステラ役を歌い、またペーター・エトヴェシュのオペラ『ル・バルコン』のエクサン=プロヴァンスにおける世界初演にも出演、2002年以来、ブーレーズの『ル・マルトー・サン・メートル』の演奏にアンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーたちと度々参加しているアルト歌手である。
サマーズさんは、長身の堂々とした体格で、輝かしい経歴の持ち主ながら、大変気さくで心底明るい、親しみ易い人物。
リハーサルにもジーンズ、スニーカーといういでたちで現われていた。
サマーズさんのフランス語は聴き取りにくいと批判する人もいなくはないけれど、音を的確に拾い、シュプレッヒシュティンメ的な部分やハミング部分を着実に声で、しかも必要以上に硬直せずに表現していく歌唱は定評がある。
「『ル・マルトー』は構成がきっちりしているから、一端全体を深く掴めば、取り組みにくい作品ではないと思う」、と明るく笑いながら言い、マイケル・ナイマンとも良く仕事をするサマーズさんは、「日本では、マイケル・ナイマンは人気があるんでしょう?」とまたにっこり。
高水準の歌唱法を備えたこのような人物が、現代音楽を明るく照らしてくれるのは、現代音楽にとってとても幸せなことではないだろうかと思った。
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