現代美術ギャラリー/現代美術センター(水戸芸術館美術部門)
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イリヤ・カバコフ展 「シャルル・ローゼンタールの人生と創造」



旧ソ連のウクライナ出身のアーティスト、イリヤ・カバコフ(1933〜)は、 より自由な作家活動を求めて冷戦終結以前から西側に渡り、 ソ連内部の政治的抑圧と人々の複雑な感情を暗示させる大がかりなインスタレーション作品で、 西側の美術界に高く評価されてきました。

現在ニューヨークを拠点として活動しているカバコフは、93年には、 ベニス・ビエンナーレでロシア館の代表作家に選ばれています。 しかし、その後もロシアに帰国することなく、欧米を中心に制作活動を精力的にこなし、 いまや国際的に極めて高い評価を得ている作家の1人となっています。 近年は、空想に満ちたより詩的な平面作品や、幼い日の記憶を辿るような幻想的な世界を垣間みせるインスタレーションを数多く発表しています。

今回開催する水戸芸術館での個展は、平面作品を中心に、新作で構成されますが、 この展覧会のタイトルにある「シャルル・ローゼンタール」はカバコフが設定した架空の画家の名前です。 水戸芸術館現代美術ギャラリーの空間に合わせて企画された本展は、ローゼンタールがその短い一生に 追い求めた多様な絵画表現を、彼の回顧展の形で構成するという重層構造のユニークな展覧会となっています。 つまり、技術の習得に優れていた画家、ローゼンタールが、20世紀初頭という時代の影響を受けながら多様な表現を試みるが、 若くして夭折するという設定のもとに、イリヤ・カバコフが平面作品を制作し、展覧会はひとつの物語のように展開されることになります。 ローゼンタールが生きた19世紀末から20世紀初頭のロシアでは、後にロシア・アヴァンギャルドと呼ばれる前衛芸術運動が、 最もはなばなしく展開した時代でもありました。

個人史でありながら絵画への模索と歴史をも組み込んだ設定のこの展覧会は、 アーティストと表現に関わる根本的な問題を提示しているといえるでしょう。 会場の一部には、言葉の表現力と絵画の物語性を重視しているカバコフが近年制作した本や資料を図書室のようなしつらえで展示します。


開催概要
展覧会名:イリヤ・カバコフ展「シャルル・ローゼンタールの人生と創造」
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
会期:1999年 8月 7日(土)から11月 3日(水・祝) 
開館時間:午前 9時30分から午後 6時30分(入場は午後 6時まで)
休館日:月曜日、ただし10月11日(月)は開館、10月12日(火)は休館

主催:財団法人水戸市芸術振興財団
助成: 国際交流基金財団法人ポーラ美術振興財団   
協賛: トヨタ自動車株式会社
協力: 全日本空輸株式会社日本貨物航空株式会社株式会社創夢株式会社竹尾
企画:逢坂恵理子(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)



略歴 -- シャルル・ローゼンタールについて

1898年 ウクライナのへルソンでユダヤ人家庭に8番目の子供として生まれる(本名ショルム)。 父は写真館を営む。 ペトログラード(現サンクトペテルブルグ)の裕福な親戚の家に預けられる。
1914年 シチーグリツ美術工芸学校に合格。写実の基礎を学ぶ。
1918年 ヴィテブスクのマルク・シャガールが創立した美術学校に学び、シュプレマティズムを知る。
1922年 当時の美術の中心パリへ移り、自己の表現を模索する。
1933年 4月、モンマルトルで不慮の自動車事故に遭遇し死去。 絵30点と素描40点が残され、彼の活動に注目が集まる。




略歴 -- イリヤ・カバコフについて

1933年 ウクライナで生まれる。
1951年 モスクワの美術学校卒業。
1957年 スリコフ芸術学校卒業。
以後、イラストレーターとして多くの絵本を手掛けながら、制作活動を行う。
1978年 ソビエト体制に反対を表明する「ソッツ・アート」の一員として制作。
1985年 スイスのベルン美術館の個展で西欧の美術界の注目を集める。
1989-90年 ベルリンに滞在し制作。以降、主要な国際展に招待出品。欧米の美術館、 画廊を中心に数多くの個展、グループ展を重ねる。
1991年 軽井沢のセゾン現代美術館の展覧会「境界線の美術―絵画と彫刻を超えて」 に出品するため初来日。パリに滞在。
1992年 ニューヨークに移る。ドクメンタIXに参加。
1993年 ヴェニス・ビエンナーレに参加。
1997年 東京の佐谷画廊で個展。ミュンスター彫刻プロジェクトに参加。
1999年 名古屋市白川公園に彫刻プロジェクト作品『彼らはのぞきこんでいる』を設置。
現在 ニューヨークを拠点に活動。



関連企画事業

連続講座「シャルル・ローゼンタールの時代と作品を読む」
日時: 8月21日(土)、22日(日)、28日(土)、29日(日)
いずれも午後 2時から 4時(開場午後 1時30分)
会場:水戸芸術館会議場
定員:80名(先着順)
入場料金:毎回500円 4回通し券1,600円
電話予約: 8月 7日から受け付けいたします。 TEL 029-225-3555
講座当日に限り、講座の半券をエントランスホール・チケット・カウンターでご提示いただければ、 展覧会入場料は団体割引の600円になります。

プログラム
#1
  8月21日(土)
「ロシア・アヴァンギャルドとシュプレマティズム」
講師=中原佑介(美術評論家)

#2  8月22日(日)
「1920-30年代のパリのロシア人」
講師=五十殿利治(筑波大学助教授)

#3  8月28日(土)
「ロシア・アヴァンギャルドと絵本」
講師=島多代(国際児童図書評議会会長)

#4  8月29日(日)
「ロシア・アヴァンギャルドと詩と文学」
講師=亀山郁夫(東京外語大学教授)


ライヴ「イリヤ・カバコフ」を読む
近年、カバコフが精力的に発表している絵と文字を組み合わせた物語形式の作品の朗読を図書室のしつらえの展示室内で行います。
日時:10月 2日(土)、 3日(日) 両日とも午後 2時から 3時
会場:現代美術ギャラリー第7室
朗読:ACM (Acting Company Mito)
協力:佐谷画廊


シンポジウム「未来の後に未来はあるか―現代美術の模索と可能性」
21世紀を目前に迎えた混沌とした現代にあって、美術家、哲学者、作家等が一堂に会し、 芸術の在りよう、可能性を探る意欲的なシンポジウム。日本語・ロシア語の同時通訳付き。
日時:10月15日(金)午後 1時30分から 4時30分(開場午後 1時)
会場:国際交流基金国際会議場(東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル20階)
定員:150名(先着順)
料金:500円(当日券のみ)
パネリスト:イリヤ・カバコフ(美術家)、ドミトリー・プリゴフ(美術家・詩人)、辻井 喬(つじいたかし・詩人、作家)
モデレーター:沼野充義 (東京大学文学部助教授)
主催:財団法人水戸市芸術振興財団
助成:財団法人ポーラ美術振興財団
協力:東京大学文学部スラブ語・スラブ文学研究室
お知らせ:当初パネリストとして予定していたボリス・グロイス氏は来日できなくなりましたので、 ドミトリー・プリゴフ氏を招聘することになりました。
ご了承下さいますようお願いいたします。


同時開催

クリテリオム39 木村 友紀(きむら ゆき)
会期:1999年 8月 7日(土)〜 9月19日(日)
会場:現代美術ギャラリー第9室
入場料:イリヤ・カバコフ展入場料に含まれます。

クリテリオム40 坂井 淑恵(さかい よしえ)
会期:1999年 9月25日(土)〜11月 3日(水・祝)
会場:現代美術ギャラリー第9室
入場料:イリヤ・カバコフ展入場料に含まれます。


鑑賞のための特別入場料金

H.T.P.(ハイティーンパス)=15歳以上20歳未満の方が対象となります。 購入日より1年間、現代美術ギャラリーの企画展に何度も入場ができる便利でお得なハイティーンのためのパスです。 購入時には年齢が証明できるものをチケットカウンターにご提示ください。
料金1,000円

団体割引=20名様以上の団体はお一人様600円でご覧いただけます。

無料入場=中学生以下、65歳以上、心身障害者の方は無料でご覧いただけます。



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