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三浦はつみオルガン・リサイタル
-- 近代フランス・オルガン音楽の精華 --
モーツァルトが「目で見ても、耳で聞いても、あらゆる楽器の王」と讃えたオルガン。
この楽器にとっての黄金時代は1600年頃からの約150年間に訪れた。
当時ヨーロッパ諸国では、覇を競うように教会のオルガニストたちがその地方の形式を発展させていった。
こんにち多くのオルガン演奏会でプログラムの中心を占めるのは、バッハをはじめとする当時の作品である。
その後、音楽のスタイルがポリフォニーからホモフォニーへと移行し、
鍵盤楽器のなかに占めるオルガンの位置も、教会や教会音楽に対する人々の関心のあり方も著しく変化する。
18世紀後半以降拡大をつづけるオーケストラに、色彩も強弱法も「匹敵」させようとしたのもこの時期のこと。
しかしそれは、オルガン音楽の衰退を意味したのかも知れない。
今世紀になって、シュヴァイツァーたちがバロック時代のオルガン音楽を復興させようとしたのは象徴的だった。
さいわいフランスではオルガン音楽の復興はより早く訪れ、前世紀半ば以降、
新たな黄金時代ともいうべき高揚をみせている。ロマン派の大作曲家にあって例外的にオルガン音楽や教会音楽に献身したセザール・
フランクを始祖とするこの新たな潮流は、皮相な演奏効果を排し、
豊かな色彩や鋭敏な感覚を織り込みながら真情あふれる音楽をかなでている。
このリサイタルのプログラムは、近現代フランス・オルガン音楽のスペシャリスト、
三浦はつみさんのアイディアにより、その流れのエッセンスを抽出すべく組み立てられている。
前半では、研ぎすまされた感性の代表者アラン、宗教的な感銘を様々な形で伝えるラングレ、
メシアンなどが演奏される。この前半を覆うのが宗教的厳粛さであるとすれば、
後半のプログラムは人間賛歌というべきかも知れない。デュプレ、ヴィドール、
ヴィエルヌと続く巧妙な流れを通して、厳かなオルガン音楽の品格を失うことなくそれまでの緊張は次第に解きほぐされ、
より率直な愉悦が語られることだろう。最後にフランクのコラールが奏でられるとき、
それまでの綺羅星のごとき音楽たちが、高貴さと豊かな人間味をあわせ持つひとつの偉大な音楽的個性に遡ることを実感するに違いない。
ここに演奏される作品たちがひとつの国のたった50年ほどのうちに成立したのであれば、これもまたひとつの黄金時代と呼ぶべきであろうか。
三浦はつみオルガン・リサイタル
日時:1999年9月27日(月) 18:00開場 18:30開演
会場:水戸芸術館エントランスホール
プログラム
J.ラングレ:聖土曜日のためのインカンタシオーン
J.ラングレ:パスティッチョ
J.アラン:クレマン・ジャヌカンの主題による変奏曲
幻想曲 第1番
幻想曲 第2番
O.メシアン:永遠の教会の出現
M.デュプレ:行列と連祷 作品19-2
C.-M. ヴィドール:ゴシック交響曲 作品70から<アンダンテ・ソステヌート>
L.ヴィエルヌ:交響曲 第4番 作品32から<メヌエット>
C.フランク:コラール 第1番 ホ長調
料金:A席:2,500円、B席:2,000円
チケット発売日:7月11日(日)
*コンサートに先立つインタビュー記事もどうぞ。
三浦 はつみ
写真撮影:小岩井 晋志
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東京芸術大学卒業。
立教学院諸聖徒礼拝堂オルガニスト、横浜みなとみらいホールオルガニスト。
1983年、日本オルガニスト協会主催第3回オルガン・コンクール第1位。
90年、第8回スイス・オルガン・コンクール最高位入賞。85年、ビストイア賞受賞。
96年渡米、ニューイングランド音楽院で林佑子に師事。アーティスト・ディプロマを得て帰国。
日本、米国、オランダ、デンマーク、スイス、イタリアなどで演奏。
バッハ、スペイン・バロックおよびフランス近現代作品の演奏にはとりわけ評価が高い。
96年にはサントリー・ホールの開館10周年公演「オルガン歴史紀行
ヨーロッパ・オルガン音楽の5世紀」に今井奈緒子、松居直美、早島万紀子とともに出演し、
第4部「20世紀を見つめて」を担当した。
また同年、フランスの鬼才ジャン・アラン作品だけの演奏会を行いスペシャリストとしての本領を発揮し高い評価を受けた。
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