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琉球芸能 −王朝の舞と響き−
宮城能鳳さんインタビュー
琉球舞踊の世界で当代きっての女形と評判の宮城能鳳(みやぎのうほう)さんに、今度の公演についてお話しを伺いました。
--琉球舞踊の魅力を簡単にお話しください。
宮城:そうですね。まず琉球王朝時代のきらびやかで抑制のきいた優雅な古典舞踊と近代民衆の生活の中から生まれたおおらかな動きで軽やかに踊る「雑踊(ぞうおどり)」とでは、非常に対照的で、その違いが面白いと思います。
例えば、それぞれの舞踊に込められている心情の表わし方が、古典は静謐で象徴的なものであるのに対して、「雑踊」はリアルにそしてエネルギッシュに表現するという違いがあります。
さらにコスチュームの違い等も魅力の一つではないでしょうか。古典踊の衣装は、「女踊(おんなおどり)」などでの艶やかな紅型(びんがた)衣装をはじめ、
そのほとんどが重厚で豪華なものであるのに対して、「雑踊」は琉球絣(かすり)や芭蕉布といった清楚なものです。
--沖縄では、多くの人たちが、沖縄の音楽や舞踊を愛し、
また、それらとともに生活があるとも言えるのではないかと思います。
そうした沖縄の人々と沖縄の芸能の結びつきや関わり方についてお話しください。
宮城:沖縄の人々の慣習として、各家々の床の間には、ほとんど三線(さんしん)が飾ってあるんですね。
それ程、日常生活の中においても音楽や舞踊は切り離せない状況で盛んなんです。
出生祝や結婚式、家の落成式など、すべてにおいて親類縁者は勿論、知人、友人が一堂に会して歌い踊ります。夜の更けるのも忘れる程、歌い踊り明かすといった具合なんです。
それ程まで生活の中でも芸能との関わりは大きいですね。
--今回の演目の見どころ、聴きどころについてお教えください。
宮城:まず、今回のプログラムのメインの一つであります、道成寺ものの<執心鐘入(しゅうしんかねいり)>における女の心情を吐露するあたりの音楽の聴かせどころと、
後半における鬼女と座主一党との葛藤の場面なども見どころではないでしょうか。
また、地謡(じうたい)の皆さんによる独唱もありますし、舞踊においても古典、「雑踊」などバラエティーに富んだプログラム構成になっておりますので、
お楽しみいただけるものと思いますよ。
--古典舞踊の白眉ともいえる「女踊」は、元来男性が行なう踊りで、今回も宮城さんに踊っていただくのですが、
男性が「女踊」を会得するためには、どのような苦労や心掛けなくてはならないことがお有りなのでしょうか。
宮城:おっしゃる通り、王朝時代はすべてが男性の演者によって為されていたわけです。「女踊」を女性が踊るようになったのは戦後のことです。
男性が女を演ずるということは、たいへん鍛練が必要になります。ご承知のように、
骨格の違いを克服して、女らしさを如何に表現するかがポイントになるわけです。
それは肩を落とし、みぞおちを落とすという身体上の技法も重要でありますが、
女のもつ色艶や心の表現においても、常に自然体のかたちで、しかも節度を保って舞い納めることが肝要なんです。
また、「女踊は肉に骨をつけて踊る」と言い、なよなよするのではなく、
常にきりっと芯が一本通っていて、それでいて優美な芸境を目指すものです。
この芸能がもっぱら首里の王城の中で、士族たちによって為されてきたということが、こうした厳しい格式を培ってきたのだと思います。
--最後に水戸の観衆に向けてメッセージをお願いします。
宮城:私ども沖縄県民の長年の悲願でありました国立組踊劇場が平成15年にはオープンする予定ですが、その関連事業として、
私どもは全国の皆さんに組踊をご紹介できればと考え活動をしております。この度「琉球芸能 −王朝の舞と響き−」公演を企画してくださり、水戸ならびにご近郊の皆様にご紹介出来ますことに対しまして、
お客様をはじめ水戸芸術館のスタッフの皆さんに、団員一同に代わりまして厚く御礼申し上げます。
どうぞ、たくさんの方々にご来場、ご鑑賞いただきますようお願い申し上げ、さらに、
今回の公演を契機に水戸市と沖縄県の文化交流がますます深まりますことを祈念申し上げます。
--ありがとうございました。公演楽しみにしています。
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