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MCO: Mito Chamber
Orchestra



水戸室内管弦楽団第78回定期演奏会
スペシャルインタビュー
原田 禎夫

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MCOメンバーであるチェリストの原田禎夫さん。第78回定期公演で取り上げられるハイドンの協奏交響曲では、ヴァイオリン、オーボエ、ファゴットと共にソロで演奏していただきます。その演奏にあたってのお気持ち、チェロとの出会い、音楽への思いなどについて伺いました。


-- 原田さんは東京クヮルテットで30年活動し、その他世界各地でオーケストラやアンサンブル、後進の育成など様々な活動をされています。そんな原田さんにとって水戸室内管弦楽団はどんな存在ですか?

僕は、クヮルテットの活動をしていた時には年間135〜140回ほど演奏会があって、旅行ばかりで他の仕事はできなかったんです。MCOでは2001年から活動していますが、ここではその大きさからして室内楽をやっているという意識がもてるし、コミュニケーションもできてとても楽しいです。ここには自分たちで音楽を創りあげていくという感覚があるのです。それに僕が昔やっていたクヮルテットに近いので、アットホームな感じがしています。


-- 第78回定期演奏会ではハイドンの協奏交響曲でソロを演奏していただきます。

本当はやりたくないんです(笑)。あれね、他の楽器はたいしたことないけど、チェロはかなり弾ける人でも大変というくらい難しい曲でね。古典の形式を持っているから隠れるところがない。出すものが全部そこに出てきてしまう。ハイドンの弦楽四重奏は下で支える感じで演奏するけど、これはもう全く逆で、ヴァイオリンより高い音を出して弾くようなところがある。だからチェロ弾きが嫌がる曲なんですよ。ベートーヴェンの三重協奏曲(ピアノとヴァイオリン、チェロのための)もそう。ピアノとヴァイオリンはどうってことないけどチェロはやたらと難しい。そんなわけで今から憂鬱なので、もしかしたら本番に来ないかもしれないです(笑)。


-- お客様にとっては聞きどころ満載の楽しい曲ですよね。

いや、曲としては素晴らしいんです。あざやかに弾かなければいきてこないので、余計にプレッシャーです(笑)。だけどチャレンジしてみようと思いました。


-- この曲の特徴は?

この作品は、オーケストラとソロが本当に室内楽をやっている感じの曲です。協奏曲にはソリストがいて、オーケストラと関係なく音楽をやっても成り立つようなこともあるけど、この作品ではそうはいかない。きちっと音楽を作らなければならない難しさがあります。それと独奏楽器ですが、オーボエとファゴット、そしてヴァイオリンとチェロという対照的な楽器の組み合わせが面白いですね。ハイドンもそういうことを考えて作ったのでしょう。


-- 原田さんのチェロとの出会いについてお聞かせください。

父がNHK交響楽団のチェロ弾きで、小さい時に何となく父の真似をしていたのです。あの頃はまだ掃除機などない時代で、はたきと箒でチェロを弾く真似をしていたみたい。兄貴にはヴァイオリンを渡して、僕も少しそれを弾いたけど本当に嫌だった。彼はその頃、まだ小さいくせに「音楽は自分でやるものじゃなくて聞くものだ」とはっきり言ったらしい。そんなふうに兄貴は自分の考えをはっきり持っていた。絵も上手だったしね。彼は版画家だけど今でも音楽は好きで、仕事中も必ずクラシック音楽を聞いていて、音楽会もよく来ていました。僕は次男坊で親父にかわいがられて、そっちの世界に自然と入っていったという感じ。


-- チェロをおやめになりたいと思ったことは?

今、思っていますよ(笑)。ただ振り返ってみると、これまで斎藤秀雄先生に怒られながらやってきたし、親父はチェロ弾きだけど自分はあまりうまくならないというフラストレーションもあった。けど親にがみがみ言われることはあまりなかった。あそこでいろいろ言われていたらたぶんやめていたと思う。だけど親父は大きい気持ちで見ていてくれた。つらいと思ったことは何度もあるけれど、不思議なことに、チェロをやめようという気分にはならなかったですね。
今、年を重ねてきて楽しいのは、自分で勉強している時。若い子は人前で弾きたいというのがモチベーションになるけど、僕にとっては勉強する時間が実に楽しい。でもやっぱり目的がないとね。ただ勉強するというのはなかなか難しいから、コンサートを作ったりリサイタルを時々やったりする。昔は勉強するのが苦痛なときもあったけど、今はその時間がとてもいいなと思います。いろんなことを考えたりして。そうすると違ったものが見えてきたりする。そういう楽しさがあります。


-- 原田さんにとって音楽とは?

僕は、音楽というのは人とのコミュニケ―ションだと思う。この前、山形で小さい音楽会をやったのだけど、本当にいいお客さんだったのね。その時、こちらが一生懸命何かを語りかけるのを、むこうも感じているのがよく伝わってきた。そんな時「あぁ音楽ってこういうものなんだ」と思った。演奏がまずい人でも、そういうものがあれば音楽でコミュニケーションできるのを感じた。だから音楽を特別に感じる必要もないし、素直に自分の思った気持で聴けばいいと思う。音楽の力ってすごくて、悲しい時にベートーヴェンの弦楽四重奏をやると救われたりする。音楽はやっぱり人とのつながりなんです。演奏していても会話があるから面白いし、それがなければつまらない。僕の中の音楽は、ただ自分の中に閉じこもってやるようなものではないのです。音楽には人を助ける力があるし、自分が助けられるときもあります。


-- 読者の皆さんへむけて、あらためてMCOの魅力をお話しください。

ここには普通のオーケストラとは違う特徴があります。ここの一つの土台である小澤さんは室内楽を大事にしていて、今でも子どものために講習会などをやっているけど、「音楽には指揮者がいなくてもコミュニケーションがなければいけない」と考えてやっている。それがここの一番の特色じゃないかな。もちろん小澤さんが指揮しているのだけど、彼を通じてみんながコミュニケートする。それがあるのとないのではお客さんに伝わるものが全然違うからね。小澤さんがこうやりたい、というのを消化して、こちらもみんなそれを感じて何かやる。ここは少ない編成だから特に伝わりやすい。だから、そういうところを見てもらえるともっと面白く聞けると思います。


-- 楽しいお話をどうもありがとうございました。


聴き手・編集:高巣 真樹(水戸芸術館音楽部門学芸員)
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