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水戸芸術館開館10周年記念事業
日本の歌・この100年 (全5回)
I. 歌曲のながれ(全3回)
(1)創成期
(2)継承期
(3)そして現代へ
II. 詩人たちの歌―独唱に、合唱に
III.伝承のこえ―にほんの謡・歌・唄
わたしたちの歌は、どこから来たのだろう。
歌曲、合唱曲からポップス、歌謡曲、演歌まで―わたしたちの日々の暮らしは、色とりどりの衣装をまとった日本語の歌たちに満たされている。しかし、その歌たちがどこから来たのか、わたしたちは必ずしも多くを知らない。ほんの1世紀ばかり前、怒涛のように流れこんできた西洋の音楽と、日本人はどのように向きあい、どのようにして自らのうたを鍛えていったのだろうか。
水戸芸術館開館10周年記念特別企画「日本の歌・この100年」。水戸芸術館の3人の企画委員が、それぞれの視点から、この国のうたの源流をたどる。世紀を超えて歌い継がれる、懐かしくも新しいうたたちに出会う旅。それは、いま見えにくくなっている、日本人の心のありかを探る旅でもあるはずだ。
「日本の歌・この100年」に寄せて
畑中良輔(水戸芸術館音楽部門芸術総監督)
日本人で、滝廉太郎の<荒城の月>を知らない人はいないだろう。この旋律はロシア正教の聖歌の中にもとり入れられたというくらい、外国の人の心をも打つ力を持った日本歌曲の第一号である。この曲の作曲されたのは滝がまだ21歳の若さ、1900年であり(発表は1901年)、今年で丁度100年を迎えたことになる。
当時、西洋作曲技法を充分に使いこなせなかったこの時代、さまざまな試行錯誤の中に滝廉太郎は日本近代音楽の途を開こうと苦闘を重ねたが23歳と10ヶ月で志半ばにしてこの世を去った。しかし新しい途は山田耕筰の出現で一事に花開く時代を迎え、信時潔、橋本国彦たちによる"日本歌曲山脈"が形成されていく。「日本の歌・この100年」というこの記念すべき年、水戸芸術館は開館10周年を迎える。
この年の記念事業に最もふさわしい企画として、「日本の歌・この100年」は、独唱曲のみにとどまらず、池辺晋一郎、間宮芳生両企画運営委員による合唱曲、民謡歌曲などをも加え、その展望を拡げようという新しい試みを、ベスト・スタッフ、ベスト・キャストによって全5回に亘り展開しようとするものである。
一回毎でも充分愉めるように構成してあるとはいえ、やはり全回聴いていただきたいというのが制作者としての願いである。
I. 歌曲のながれ(1)―創成期―(企画・構成・司会:畑中良輔)
協力:
音楽之友社事業部
2000年4月22日(土)15:30開場・16:00開演
ソプラノ独唱:シャーロット・ド・ロスチャイルド、中澤 桂、
バリトン独唱:大島幾雄
ピアノ:塚田佳男
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
料金(全席指定) :A席3,500円完売御礼・B席2,500円
シリーズ5回連続券:(A席)15,000円完売御礼
チケット発売中
プログラム
前章 滝廉太郎の遺したもの(荒磯[水戸光圀 詩] ほか)
第一章 山田耕筰の出現(待ちぼうけ、この道 ほか)
第二章 同時代・歌のアルバム(城ケ島の雨、ゴンドラの唄 ほか)
第三章 信時 潔の世界(歌曲集<沙羅>より ほか)
第四章 同時代・歌のアルバム(浜千鳥、苗や笛 ほか)
日本歌曲という分野を打ち立てたのは、山田耕筰(1886〜1965)ですが、「創成期」というべき第1回に登場するのは、その前史として滝廉太郎(1879〜1903)に始まり、本居長世、梁田貞、中山晋平、弘田龍太郎、杉山長谷夫、成田為三、多忠亮、近衛秀麿、信時潔(1887〜1965)たちです。他に小松耕輔、藤井清水といったすぐれた作曲家もいますが、今回は10人に絞りました。ここに選びぬかれたこの時代の名歌を、現在最高の名歌手、名ピアニストによって愉しんで下さい。
I. 歌曲のながれ(2)―継承期―(企画・構成・司会:畑中良輔)
協力:
音楽之友社事業部
2000年9月23日(土)15:30開場・16:00開演
ソプラノ独唱:関 定子
メゾ・ソプラノ独唱:青山恵子
バリトン独唱:松井康司、竹沢嘉明
ピアノ:塚田佳男
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
料金(全席指定) :A席3,500円・B席2,500円
シリーズ5回連続券:(A席)15,000円完売御礼
チケット発売中
プログラム
第一章 新時代を拓いた橋本国彦(お六娘、お菓子と娘 ほか)
第二章 同時代 歌のアルバム(汚れっちまった悲しみに、砂山の ほか)
第三章 日本歌曲の底辺をひろげた平井康三郎の力(あの子この子、落葉松 ほか)
第四章 同時代・歌のアルバム(サーカス,もうすぐ春になるだろう ほか)
「歌曲のながれ」第2回目は「継承期」として、日本歌曲の二つの大きな柱、山田、信時のあとを受けて、どのように発展していったかを聴いていただこうというプログラムです。どちらかといえばドイツ系に傾いていた歌曲の世界に、橋本国彦(1904〜1949)は新鮮なフランスの感覚と技法を持ちこみました。これに対し、平井康三郎(1910〜 )は稀代のメロディストとして日本抒情歌曲の枠を拡げ、今なお盛んに歌われています。この時代はほかに、箕作秋吉、清瀬保二、石渡日出夫、伊福部昭、清水脩、山田一雄、貴志康一、服部正、早坂文雄、越谷達之助、高田三郎といった作曲家がすぐれた歌曲を多く残していますが、その代表作を日本歌曲の名手4人の歌唱でお聴きいただきます。
I. 歌曲のながれ(3)―そして現代へ―(企画・構成・司会:畑中良輔)
協力:
音楽之友社事業部
2000年10月28日(土)15:30開場・16:00開演
ソプラノ独唱:瀬山詠子、小泉惠子
メゾ・ソプラノ独唱:志村年子
バリトン:平野忠彦
ピアノ:塚田佳男
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
料金(全席指定) :A席3,500円・B席2,500円
シリーズ5回連続券:(A席)15,000円完売御礼
チケット発売中
プログラム
第一章 新しい日本歌曲の創造 中田喜直(たんぽぽ、雪の降る街を ほか)
第二章 同時代・歌のアルバム(天の川、さくら横ちょう ほか)
第三章 戦後歌曲の定着に力を注いだ 團 伊玖磨(歌曲集<五つの断章>)
第四章 同時代・歌のアルバム(さっちゃん、五月 ほか)
「歌曲のながれ」最終回は、戦後から現代へと歩みを進めます。まず彗星の如く現われた中田喜直(1923〜 )の歌曲ほど、いま多くの人に聴かれ、歌われ、愛されている歌はないといってよいでしょう。また同世代ですが、團伊玖磨(1924〜 )は歌曲の面でも逸することの出来ない名歌曲集を多く残しています。この2人を核として、多くのすばらしい歌曲が現代にも生まれています。柴田南雄、石桁真礼生、別宮貞雄、畑中良輔、大中恩、湯山昭、芥川也寸志、諸井誠、林光、三善晃、猪本隆たちの日本歌曲史を飾る名作たち。今回もこれらの曲に最もふさわしい歌い手が登場しますので、現代の名歌に存分に親しんでください。
II. 詩人たちの歌−独唱に、合唱に−(企画・構成・司会:池辺晋一郎)
2000年7月22日(土) 15:30開場 16:00開演
ソプラノ独唱:畠中恵子
カウンターテナー独唱:猫殿
指揮:栗山文昭
合唱:栗友会
ピアノ:斉木ユリ ほか
フルート:高桑英世
ゲスト:谷川俊太郎
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
料金(全席指定) :A席3,500円・B席2,500円
シリーズ5回連続券:(A席)15,000円完売御礼
チケット発売中
プログラム
第1部 この100年の前に(二上り新内、かっぽれ ほか)
第2部 新体詩以後と近代歌曲(室生犀星、萩原朔太郎/小倉 朗〈室生犀星、萩原朔太郎の詩による3つの歌〉から、山村暮鳥/三善 晃〈聖三陵玻璃〉から ほか)
第3部 近代詩と合唱(俵万智/林光 <コメディア・インサラータ> から,谷川俊太郎/池辺晋一郎 <うぇーべるん> から ほか)
歌はことばを伴う。―スキャットみたいな例外もあるけれど、しかしふつう、当たり前ですね。日本語には古来、5・7・5・7・7や3・3・7拍子などのリズムが似合ってきた。そこに「新体詩」が登場するのは明治になってから。
「日本の歌・この100年」をたどるために、まず「その前」を確かめてみましょう。次に、この100年。ご存じ、谷川俊太郎さんの登場。明治以後、作曲家たちがどのように「ことば」とつきあってきたか。詩人の眼で語っていただきます。ことばと歌。その深い関係からこの100年を探るコンサートです。
池辺晋一郎
III.伝承のこえ―にほんの謡・歌・唄―(企画・構成・司会:間宮芳生)
2001年1月27日(土)15:30開場 16:00開演
うた:山口道子、斎藤忠生、波多野睦美
ピアノ:水月恵美子、佐藤允彦
フルート:西沢幸彦
三絃、三線:西潟昭子ほか
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
料金(全席指定) :A席3,500円・B席2,500円
シリーズ5回連続券:(A席)15,000円完売御礼
チケット発売中
プログラム
山田耕筰:中国地方の子守歌、箱根八里、松島音頭
橋本国彦:お六娘
深井史郎:日本の笛
間宮芳生:杓子売唄、翁舞のうたとはやし、まいまい、題目踊、早念仏と狂い、でぃらほん
吉川和夫:五つのウムイ
佐藤允彦:下駄泥
間宮芳生:大男 ほか
地球の上のさまざまな土地に生きる民がそれぞれ個有の言葉を話すように、人びとは個有のメロディーをつくり、旋法やリズムを伝えて来ました。そういう伝承の民謡の形は、芸術音楽の形をきめる種子であり、芸術音楽を育てる養土でもあるのです。
日本の近代の音楽家たちが、伝承のこえの養土から、どんな花々を咲かせたか、山田耕筰からはじめて、面白いものが並びました。はじめは新しい道具、ピアノの伴奏をつけて、ちかごろになって古い道具、三線や筝などを使って、こんなに謡・歌・唄が飛び出して来ました。
間宮芳生
* プログラム、出演者は変更となる場合がございます。
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