予告

霧の抵抗 中谷芙二子

2018年10月27日[土]~ 2019年1月20日[日]

■企画展

●入場料 一般900円、団体(20名以上)700円
     高校生以下・70歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
     ※学生証、年齢のわかる身分証明書が必要です
     ※一年間有効フリーパス →「年間パス」2,000 円
      学生とシニアための特別割引デー「First Friday」
       → 学生証をお持ちの方と65歳~69 歳の方は、毎月第一金曜日(11月2日、12月7日、1月4日)100 円
※前売券販売期間 9月27日(木)~10月26日(金)(当館窓口にて販売)

 いま、切実に問われているのは、人間と自然との間の信頼関係ではないかと思う。私たち都会人は、ペットボトルの水しか信用しなくなってしまった。水道の水は臭くて飲めない。川や海は汚染されているからプールで泳ぐ。そこまで自然を信用できなくなったら、もうバーチャルな世界で泳ぐしかない。宇宙へ行った人たちはみな等し並みに、地球を愛しく思う気持ちの高揚を語る。しかし、宇宙服に身を固めて異常空間へと飛翔しなくても、日常の自然の中で、しかもナマ身でその気持ちを体験できたなら、その方がはるかにスマートでエコロジカルに違いない。
「応答する風景 霧の彫刻」中谷芙二子(霧の彫刻家)


中谷のこの言葉には、人工物に囲われた都市空間、メディアを通して得られる疑似体験など、近代以降の技術発達がつくり出してきた社会に対する鋭い批評が込められている。中谷は、雪の研究と自然を題材とした随筆で知られる中谷宇吉郎の娘として生まれ、70年の大阪万博ペプシ館では芸術家と科学者の協働をすすめた「E.A.T.(芸術と技術の実験)」に加わり代表作となる霧の彫刻を制作した。アート&テクノロジー、芸術と科学の融合など、今、流行語のように広がるこれらの世界を、中谷は半世紀に亘って当事者として見つめてきた。こうした活動には、中谷自身の言葉に現れるような柔らかで明快な抵抗が込められている。それを本展では、「霧の抵抗」と呼ぶこととした。霧の彫刻とビデオを通して、時代の潮流に対して霧のごとく抵抗してきた中谷の活動のドキュメントを、当時の時代精神とともに紹介する。

*引用文は「建築雑誌」Vol. 111, 1996年5月号に初出。


▼参考図版

※作家名の記載がない作品は、中谷芙二子作品。

《ロンドン・フォグ》 霧パフォーマンス,  #03779, 2017(参考図版)
BMW Tate Live Exhibition: Ten Days Six Nights(テート・モダン/ロンドン)展示風景より
コラボレーション:田中泯(ダンス)、高谷史郎(照明)、坂本龍一(音楽) 撮影:越田乃梨子

《ユートピア Q & A 1981》1971 (企画:E.A.T.) 東京ターミナル会場風景より
E.A.T.東京メンバー (左から):小林はくどう、中谷芙二子、森岡侑士 撮影:深沢正次


《水俣病を告発する会̶テント村ビデオ日記》1971-1972 ビデオより抜粋

《Fog x Canopy》 #72509, 2018 エメラルド・ネックレス公園(ボストン)での展示風景より
撮影:越田乃梨子


《ペプシ館》 霧の彫刻, #47773, 1970 (参考図版) 日本万国博覧会(EXPO '70)会場風景より 撮影:中谷芙二子

《オパール・ループ/雲 》フォグスクリーン・インスタレーション, #74490, 2002(参考図版)
「E.A.T.─芸術と技術の実験」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])展示風景より
コラボレーション:トリシャ・ブラウン(コレオグラフィ) 撮影:西川浩史



▼【作家略歴】

Photo:©Laura Miglone

中谷芙二子(なかやふじこ)

1933年生まれ。“霧のアーティスト”として世界に知られる。米ノースウェスタン大学美術科を卒業後、初期の絵画制作を経て、芸術と技術の協働を推進する実験グループ「E. A. T.」に参加。「E. A. T.」の活動の一環として1970年の大阪万博ペプシ館で、初めての人工霧による「霧の彫刻」を発表。純粋な水霧を用いた環境彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど、世界各地で制作した80を超える霧作品群は、人と自然を取り結ぶメディアである。環境への関心は、雪の結晶を世界で初めて人工的に作った実験物理学者の父、中谷宇吉郎(1900-1962)の影響が大きい。また1970年代から社会を鋭く見つめるビデオ作品の制作や、海外作家との交流を推進するとともに、日本の若手ビデオ作家の発掘と支援に尽力した。2017年にはロンドンのテート・モダン新館など7つの霧の新作を手がけ、2018年、第30回高松宮殿下記念世界文化賞彫刻部門の受賞が決定、夏にはボストンのエメラルドネックレス公園で5つの霧作品を発表。


▼開催概要

展覧会名

霧の抵抗 中谷芙二子


会場

水戸芸術館 現代美術ギャラリー、広場


開催日

2018年10月27日[土]~ 2019年1月20日[日]


開館時間

9:30~18:00(入場時間は17:30まで)


休館日

月曜日、年末年始(2018年12月27日( 木) ~2019年1月3日(木))
※ただし12月24日、1月14日(月・祝)は開館、12月25日、1月15日(火)休館


主催

公益財団法人水戸市芸術振興財団、読売新聞社、美術館連絡協議会


助成

芸術文化振興基金


協賛

ライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜、株式会社あかつき本社、WE/produced by POLA、医療法人真成会たきもとクリニック


協力

アサヒグループホールディングス株式会社、株式会社プロセスアート


企画

山峰潤也(水戸芸術館現代美術センター学芸員)




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■関連プログラム
公益財団法人 石橋財団・国際交流基金 現代美術キュレーター等交流事業 国際交流基金・水戸芸術館共同企画 特別国際シンポジウム

『プレイ⇔リプレイ:「時間」を展示する(仮)』

2018年11月3日[土]

公益財団法人石橋財団と国際交流基金は、日本現代美術への関心、理解を高め、日本と海外の美術交流の活性化を図るため、現代美術に携わる海外の専門家を招へいします。この交流事業の一環として、国内外のビデオ、パフォーマンス、メディア・アートの分野からの第一人者たちが、主に「時間の経過を扱う作品の展示」に関するパネルトークとディスカッションを行います。
モデレーターには、金沢21世紀美術館館長の島敦彦と東京大学大学院総合文化研究科准教授の加治屋健司を迎え、90年代よりマルチ・メディア・パフォーマンスなどで活躍するダムタイプの高谷史郎や、英国テートでタイム・ベースド・メディア作品の保存修復を先導するピップ・ローレンソンを始め、ドイツの先駆的メディア・アートセンターZKM、中欧のビデオ・アート・アーカイブの拠点WROアートセンターなどから、コンサバターやキュレーターが参加します。

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■関連プログラム

霧の彫刻×場踊り 大気と身体のオドリ

2018年11月10日[土]~ 2018年11月11日[日]

中谷芙二子の霧の彫刻と田中泯の場踊りは、これまでも2004年の山梨県白州、2008年の横浜トリエンナーレ、2017年にはロンドンとオスロで共演してきました。大気を鋳型に変化する霧と肉体の機微を遺憾なく発揮する田中泯、二つの舞が水戸芸術館の広場で交差します。

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■関連プログラム
霧の抵抗 中谷芙二子

担当キュレーターによるギャラリー・トーク

2018年12月2日[日]

展覧会担当キュレーターが展覧会を解説付きでご案内します。

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■関連プログラム
霧の抵抗 中谷芙二子

中谷芙二子をめぐるトークセッション「岡﨑乾二郎による中谷芙二子の『霧の抵抗』」

2019年1月13日[日]

中谷芙二子の仕事が示す力はいかなるものであるのか?そこに示される可能性をどう理解すればいいのか?岡﨑乾二郎が執筆してきた3本の中谷芙二子論を基に、中谷に関わる時代背景などもふまえ、中谷芙二子の「霧」が人間の愚かさに抵抗し、挑発し、別の知性を導く。その魅力と可能性を語ります。

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■関連プログラム
霧の抵抗 中谷芙二子

中谷芙二子をめぐるトークセッション「ビデオギャラリーSCANをめぐって」

2019年1月6日[日]

寺山修司の天井桟敷の旗揚げに参加して以来、舞台や映画、エッセイなど多岐にわたる分野で活躍した萩原朔美。80年代よりCGやアニメーションを制作し、メディアアートのパイオニアとして知られる藤幡正樹。作家、教育者として映像文化に深くかかわってきた2人に、ビデオを通した交流地であったビデオギャラリーSCANについて、さまざまな文化が混交した80年代から90年代前半に触れながら、回想していただきます。

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霧の抵抗 中谷芙二子

ぬいぬいワークショップ 子どもの成長を記憶する作品づくり

2019年1月12日[土]

ワークショップイメージ

■美術の教育プログラム

●日時:1月12日(土) 10:30~11:30/14:00~15:00
●講師:柵瀨茉莉子(縫いのアーティスト)
●定員:各回15組(要メール申込・応募者多数の場合は抽選)
●対象:0歳~2歳のお子さまとその保護者(お子さま1人につき保護者1名以上の参加をお願いします)
●申込み:保護者氏名、お子さまの氏名、お子さまの年齢、希望回、在住市町村名、電話番号を明記の上、件名を「ぬいぬいワークショップ参加希望」として、e-mail(atmcac@arttowermito.or.jp)までメールでお申込みください。ご参加いただける方には詳しいご案内を12月17日(月)までにメールでご連絡します。
●受付期間:12月5日(水)~10日(月)
●参加費:保護者1名につき1,000円(展覧会入場料を含む)

お子さんとの今を記憶するワークショップです。布に植物を縫いつけ、お子さんの身長と同じ長さの糸で運針をします。おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、どなたでもご参加いただけます。

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霧の抵抗 中谷芙二子

あーとバス2018

2018年11月27日[火]  28日[水]  12月5日[水]  6日[木]  7日[金]  11日[火]  

■美術の教育プログラム

●会場 水戸芸術館現代美術ギャラリー

水戸市内の小・中学生を対象に、当館が用意するバスで送迎し、展覧会を鑑賞するプログラムを行います。

【実施日】
2018年11月27日(火)、28日(水)、12月5日(水)、6日(木)、7日(金)、11日(火)
9:30-17:00のうち60-90分

※当日はギャラリーが児童・生徒たちで混雑する場合がございます。予めご了承ください。

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霧の抵抗 中谷芙二子

ウィークエンド・ギャラリートーク

2018年11月17日[土]~ 2019年1月20日[日]

■美術の教育プログラム

●日時:11月17日(土)~2019年1月20日(日) 毎週土・日曜日 各日14:30~(約40分)
※ただし12月2日(日)、1月5日(土)、1月6日(日)、1月13日(日)は除く。都合により中止になる場合がございます。

市民ボランティアCACギャラリートーカーとともに展覧会を鑑賞します。

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