Story
24時間一昼夜をかけて70キロという距離を歩く水戸一高の名物行事「歩く会」に生徒たちはそれぞれの思いを胸に抱いて参加する。
舞台は、10年前の「歩く会」を振り返る、榊 杏奈(吉川友)と甲田聡子(剣 幸)の再会から始まる。あの日、杏奈はある「おまじない」をかけたと言うのだ・・・。
聡子の娘・甲田貴子(北川理恵)は「歩く会」で密かに賭けをしようとしていた。一方、クラスメイトの西脇融(加藤良輔)は、ある事情から一日も早く卒業したいと願いながら親友の戸田忍(安達勇人)と黙々と歩いていた。
長い行列となって歩く生徒たちの間には、恋の噂や去年の「歩く会」に現れた幽霊の話題が駆け巡る。やがて陽が暮れた頃、一年前にアメリカに引っ越した貴子の親友・杏奈の「おまじない」が動き出す。
果たして、おまじないの結果は? 貴子の賭けは?
並んで一緒に歩く。ただそれだけなのに、たったそれだけのことが難しくて凄いこと。懐かしくて、切なくて、嬉しくて、ワクワクが止まらない青春賛歌。


高橋知伽江
プロフィール
新潟県出身。東京外国語大学ロシア語学科卒。劇団四季などの勤務を経て、現在フリーランスで演劇台本の執筆、翻訳、訳詞などを手がける。 2011年、ノエル・カワードの戯曲『秘密はうたう A song at Twilight』『出番を待ちながら』の翻訳で第4回小田島雄志翻訳戯曲賞受賞。2016年劇団四季『アラジン』の訳詞により、第23回読売演劇大賞優秀スタッフ賞受賞。2013年~17年、水戸芸術館演劇部門芸術監督を務める。音楽劇『夜のピクニック』は芸術監督として在任中に企画、自ら脚本を担当した。
閉じる