
現代美術ギャラリーCONTEMPORARY ART GALLERY
- 企画展
なぜ、これがアートなの?
1998年12月19日[土]〜1999年3月22日[月] 9時30分~18時30分 ※入場は18時まで

水戸芸術館現代美術ギャラリーでの会場風景 photo:黒川未来夫
水戸芸術館では、川村記念美術館、豊田市美術館と共同で企画した展覧会「なぜ、これがアートなの?」を1998年12月19日から1999年3月22日までの会期で開催いたしました。
本展は、美術館教育の現場で長年、多くの人々に「アート」を伝えてきたアメリア・アレナス氏(前ニューヨーク近代美術館教育担当)を協力者に迎え、鑑賞者が美術の知識にとらわれずに、いかに作品と直接コミュニケーションできるかという点に重点を置いての企画です。 そのために本展では、アート作品を見る体験とはどのようなことか、をまさに体験していただくためにさまざまな仕掛けを用意しました。 会場は、美術史の流れや知識によってではなく、作品を前にして誰もが共有できる具体的なイメージ、色や形や対象といった要素を優先させて、5つのセクションに分け展示いたしました。 今何を目にしているのか、その事実をどのように感じているのか、自らの気持ちの流れ、思考の流れを辿る経験をしていただくことが目的の本展覧会は、鑑賞のプロセスを体験する展覧会形式のワークショップとも言えるものです。 そのため作品にはキャプションを付けていません。タイトルや作家名など、これまで作品を鑑賞する際に、杖のようにしてきた鑑賞の拠り所がない状態で、作品と向かい合っていただくことを願いとしました。 そのワークショップの体験、作品鑑賞への参加をより深く充実したものにしていただくために、対話式のギャラリー・トークの機会を数多く設けました。人の意見や感想を聞きながら、自分の感じ方を確認していくプロセスは、わくわくする楽しい体験となり、見ることを楽しんでいる自分に出会う機会となりました。 また、こうした一般来館者を対象としたトークに加え、先生と生徒が学校で展覧会について事前に話し合い、展覧会場での対話をより豊かに行うための鑑賞教育プログラムも行いました。
会場には、1907年から1998年までの20世紀美術の多様な表現を網羅した40点の作品が並びました。その表現の自由さと多様性を経験することを通じて、「なぜこれがアートなのか」という疑問に自ら答えを導くことが可能であることを知っていただき、アートの楽しみ方を味わっていただいた展覧会です。
▼出品作家
クロード・モネ、ヴァシリー・カンディンスキー、カジミール・マレーヴィッチ、ヨーゼフ・ボイス、ヘレン・チャドウィック、ソフィー・カル
開催情報
会場
水戸芸術館 現代美術ギャラリー
開催日
1998年12月19日[土]〜1999年3月22日[月]
開催時間
9時30分~18時30分 ※入場は18時まで
休館日
月曜日 ※3月22日[月]は開館、年末年始休館は12月28日[月]~1月4日[月]
入場料
一般800円、団体(20名以上)600円
※中学生以下、65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名、年間パスをお持ちの方は無料
お問合せ
水戸芸術館(代表)TEL:029-227-8111
【主催】
水戸芸術館現代美術センター
【後援】
水戸市教育委員会
【助成】
国際交流基金
【協賛】
トヨタ自動車株式会社
【協力】
日本航空、不二製油株式会社、名糖産業株式会社、富士ゼロックス株式会社、NEC、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社竹尾、株式会社創夢、株式会社イッツ
【企画】
アメリア・アレナス、豊田市美術館、川村記念美術館
逢坂恵理子(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)
関連プログラム
1.スペシャル・ギャラリートーク
実施日:12月20日
講師:アメリア・アレナス
2.「森村泰昌の現代美術講座」(市民講座1998、#3)
実施日:1999年1月23日
講師:森村泰昌
3.「チョコレートのおいしい話」バレンタインデー・スペシャル
実施日:2月13日
講師:吉野俊彦(名糖産業株式会社食品開発部長)
4.あなたの好きな作品はどれですか?
実施日:1月15日~3月22日
5.ウィークエンド・ギャラリートーク
実施日:12月23日以降の祭日、土曜、日曜
6.こどものためのギャラリートーク「作品の前でお話しない?」
実施日:2月13、14、27日、3月13日