
現代美術ギャラリーCONTEMPORARY ART GALLERY
- 企画展
都築響一のくるくる珍日本紀行展
1998年10月17日[土]〜1998年11月29日[日] 9時30分~18時30分 ※入場は18時まで

©都築響一 水戸芸術館現代美術ギャラリーでの会場風景
「秘湯に地酒に名物料理。旅行って、ほんとにそんなもんなのか? アマゾンにもサハラ砂漠にも飛んで行くけれど、名もない地方都市には一生行かない我々日本人にとって、もしかしたらいちばんの秘境、それは日本の田舎なのだ。 だれもが知っているつもりで、実はなにも知らない日本というミステリアスな国の、不思議に刺激的で楽しい隠れ名所の数々。名もない意志のチカラが生みだしてきた宝物が、いま君の目の前でくるくる回りだす! 」(都築響一/ジャーナリスト)
回転寿司のテーブルを展示台にする、題して「くるくる珍日本紀行」展。ネタは、都築響一が1993年2月から今夏まで5年間、238回にわたった週刊SPA!誌での連載『珍日本紀行』のために撮影された、数万点にのぼる写真の中から厳選された作品のオリジナル・プリント。96年8月までの155回分を再編集し1冊の本にまとめた『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』(本書で、1998年度の木村伊兵衛賞を受賞)所収の写真に、未収録分を加えた180余点を出品。いわば本展覧会は、『珍日本紀行』で紹介してきた数あるスポットのうちから、特選の珍物件を選び再編集した写真展です。
「ここには日本らしい美しい風景もなければ、外国人観光客を黙らせるワビサビの空間もない。むしろ俗悪・軽薄と罵られてもやむを得ないような、ときには地元の人間でさえ存在を忘れてしまいたいスポットばかりが詰め込まれている。でも、このスッピンの乱れ顔こそが、いまの日本なのだ。そしてその素顔は、確かに美人じゃないけれど、見ようによってはちょっと可愛かったりする。」と都築氏自身が述べるように"日本の現在"を捉えた写真作品が、大・中・小の3タイプのネタとなって回転します。手にとってしげしげ見ていただくことはもとより、破格値によるプリント販売が予定されており、好きなだけテイクアウトも可能。(回転寿司業界では、"抜き取り"と言うそうです。)自宅に持ち帰り、『TOKYO STYLE』のような部屋で、ゆっくりと鑑賞いただくこともお薦めします。別会場では、額装された《珍日本紀行》の作品を展示いたします。
「問題は、いまの僕らにとってどちらにリアリティがあるかということなのだ。美しくない日本。品のない日本。そして居心地いい日本。目の前にある現実をもう少しポジティヴに受け入れることができたら、人生はずっと楽しくなる。」(文、都築響一) 都築響一の写真群が放つ鮮烈なメッセージを、是非、この機会に体験してください。また、展覧会初日には、都築響一氏の講演会を開催いたします。
開催情報
会場
水戸芸術館 現代美術ギャラリー第9室、ワークショップ
開催日
1998年10月17日[土]〜1998年11月29日[日]
開催時間
9時30分~18時30分 ※入場は18時まで
休館日
月曜日 ※11月23日[月・祝]は開館、翌24日[火]は休館
入場料
「河口龍夫―封印された時間」展入場料に含まれます
お問合せ
水戸芸術館(代表)TEL:029-227-8111
【主催】
水戸芸術館現代美術センター
【協賛】
トヨタ自動車株式会社
【特別協力】
日本クレセント株式会社
【協力】
富士ゼロックス株式会社、株式会社創夢、株式会社イッツ
【撮影協力】
ジャンボおしどり寿司日野本店
【企画】
逢坂恵理子(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)
森司(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
関連プログラム
「『珍日本紀行』の話」(市民講座1998、#1)
実施日:10月17日
講師:都築響一