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【重要なお知らせ】

現代美術ギャラリーCONTEMPORARY ART GALLERY

  • 企画展

高嶺格のクールジャパン 

2012年12月22日[土]〜2013年2月17日[日] 9時30分~18時(入場時間は17時30分まで)

《敗訴の部屋》 水戸芸術館現代美術ギャラリーでの展示風景 撮影:細川葉子

現代社会に潜む支配や抑圧のシステムに対して、批評的かつユーモアあふれる作品を発表している現代美術家・演出家の高嶺格氏の個展です。
高嶺はこれまで社会の大きなシステムに対して「私」を介して挑んでいる作家です。イラク戦争開戦直前の2002年には、映像作品「ゴッド・ブレス・アメリカ」でアメリカの巨大な力や支配と被支配の複雑な構造を提示しました。それから10年後にあたる2012年、3.11を経て高嶺はいよいよ自分の母国である日本に対峙します。
展覧会タイトルにある「クールジャパン」とは、日本人の優れた技術力、きめ細やかなサービス、食からアニメやマンガ、ゲームといった幅広い日本文化を海外に積極的に発信するために日本政府が掲げているブランディングのためのキーワードです。
本展で高嶺はこの「クールジャパン」のキーワードをアイロニカルに用い、戦後から現在にいたるまで日本人の無意識に働きかけてきたイメージや言葉に焦点を当てたインスタレーション作品を発表します。怒り、笑い、悲しみなど、さまざまな感情を喚起する高嶺格版クールジャパンの世界をご体験ください。

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「女は、女に生まれるのではない。女になるのだ」という、ボーヴォワールの有名な言葉があります。自意識が形成される過程で、個人に対しいかに社会の集団意識が影響するかを端的に言い表したこの言葉は、現在の日本でますます大きな意味を持つのではないかと思います。「日本人は、日本人に生まれるのではない。日本人になるのだ」あまりに身近にあったため、意識に上ることのなかった物事。あるいは巧みに操作され、意識に上がることを妨げられてきた物事。これらの物事に対し、私たちがついに当事者となったのが現在の状況だと言えるのではないでしょうか?
自分の中になにがあるのか?自分はどう作られてきたのか?3.11のあと、煙に燻されるように出てきたのはその問いだったように思います。「人はなんのために生きるのか?」古代から途切れることなく思想されてきたこの問いを、自分の生きてきた時間と重ねて、鑑賞者と共に考えてみようと思います。 高嶺格
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開催情報

会場

水戸芸術館 現代美術ギャラリー

開催日

2012年12月22日[土]〜2013年2月17日[日]

開催時間

9時30分~18時(入場時間は17時30分まで)

休館日

月曜日 ※年末年始12月27日(木)~2013年1月3日(木)
ただし12月24日、1月14日、2月11日(月・祝)および12月25日(火)は開館、1月15日、2月12日(火)休館

入場料

一般800円、前売り・団体(20名以上)600円
中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
一年間有効フリーパス
「ハイティーンパス」(15歳以上20歳未満 ):1,000円
・「おとなのパス」(20歳以上):2,500円

お問合せ

水戸芸術館(代表)TEL:029-227-8111

高嶺格(たかみね・ただす)プロフィール


現代美術家、演出家。1968年鹿児島生まれ、滋賀在住。京都市立芸大漆工科・岐阜イアマス卒。鑑賞者と作品との双方向性を志向するインスタレーションやメディアアート的手法、あるいはパフォーマンスによって、非言語的な共感覚を呼び覚ます作品を多く手掛けている。また、アメリカの帝国主義や障碍者の性、在日外国人問題といったテーマに焦点をあてながら、支配/被支配、当事者/非当事者の入り組んだ関係を浮かび上がらせ、鑑賞者自身への問いを多く含む作品は、日本のみならず海外でも高く評価されている。2003年にはヴェニス・ビエンナーレに参加、2011年から2012年にかけて日本国内3つの公立美術館で個展「とおくてよくみえない」が開催された。著書に『在日の恋人』(河出書房新社、2008)がある。

本展のための新作

「ジャパン・シンドローム 水戸編」2012年
撮影:松本美枝子

アトリエでの制作風景
撮影:松本美枝子

過去の作品より参考図版

「God Bless America」2002年

『[大きな休息]明日のためのガーデニング1095m2』 
展示風景2008年 撮影:越後谷出

「発電する人々」2010年

「A Big Blow-job」2004年

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