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【重要なお知らせ】

現代美術ギャラリーCONTEMPORARY ART GALLERY

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ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて

2018年2月10日(土)〜5月6日(日) 9:30~18:00(入場時間は17:30まで)

芸術は、いわば「危険早期発見装置」である。そのおかげでわれわれは、社会的、精神的危険の兆候をいち早く発見でき、余裕をもってそれに対処する準備をすることが出来るのである。*1

これは1960年代に鋭い先見性で、新しい技術がもたらす社会変革を予見したメディア批評家マーシャル・マクルーハンの言葉です。彼が活躍した時代から半世紀が過ぎた今、インターネットが社会に浸透し、人工知能などの新しい技術革新が進められています。「どんな技術も、次第に、まったく新しい人間環境を作り出していく」*2という同氏の言葉通り、テクノロジーは人類に全く新しい世界をもたらしてきました。こうした変革は、希望に満ちた新しい時代のドアとして期待される一方、さまざまな問題や混乱が危惧されています。技術革新がもたらす時代の光と影について、アーティストはどのように反応しているのでしょうか。本展は、革新と混沌が交錯する現在、そして未来に対し、鋭い感性で応答する国内外のアーティスト8組の作品を通し、テクノロジーが作り出すこれからの社会について考える機会を創出します。
*1、2 :マーシャル・マクルーハン著、後藤和彦・高儀進訳(1967)『人間拡張の原理』竹内書店刊

【本展の見どころ】

○ 情報社会を紐解くアーティストたちの競演
○ ロボットや映像、写真など多様なメディアの作品群
○ 情報社会の怖さを捉えるアートの力
○ 国際舞台で活躍するアーティストたち

【参加作家】

●デヴィッド・ブランディ
1976年イギリス(ロンドン)生まれ、イギリス(ブライトンとロンドン)在住。
作品制作を通じて、自らが影響を受けたメディアや文化の再検証を試みています。本展展示作は、高度に発達した社会が破滅していく映像が、インターネット上のデータをもとに瞬く間に作られる過程を見せる作品です。二つの映像の対比によって、メディアのあり方を暴露します。

●小林健太
1992年神奈川県生まれ、同県在住。
日常の中にテクノロジーが浸透した「デジタル・ネイティヴ」世代の写真家として注目されています。本展では、テクノロジーと身体感覚の呼応やずれを主題とした写真作品で空間を構成します。

●サイモン・デニー
1982年ニュージーランド(オークランド)生まれ、ドイツ(ベルリン)在住。
デジタルの世界における思想や価値のあり方を鋭く捉えた作品で知られています。本展では、世界的に広まりつつある仮想通貨のコアシステム「ブロックチェーン」をテーマにした作品を紹介。新しい貨幣システムの背景にある思想やその展望を、ボードゲームで表現した作品を展示します。

●セシル・B・エヴァンス
1983年アメリカ合衆国(クリーブランド)生まれ、イギリス(ロンドン)/ドイツ(ベルリン)在住。
人工知能などによって、人間の感情がどのように変化していくかをテーマに創作活動を行っています。本展ではロボットとモニターが演じるパフォーマンス型インスタレーションを紹介します。
 >上演スケジュールはこちら

●エキソニモ(赤岩やえ・千房けん輔)
1996年結成、アメリカ合衆国(ニューヨーク)在住。
ユーモア溢れる切り口と斬新な視点で日本のインターネット・アートを 20 年に渡りけん引してきたアート・ユニット。2017 年に制作した《キス、または二台のモニタ》と、本展のための新作インスタレーションを発表します。

●レイチェル・マクリーン
1987年イギリス(エディンバラ)生まれ、イギリス(グラスゴー)在住。
童話や自作のシナリオの登場人物すべてを自ら演じた、サイケデリックでシニカルな映像で知られています。本展では、SNS を取り巻く現代の欲望を鮮やかに描いた映像作品を展示します。

●ヒト・シュタイエル
1966年ドイツ(ミュンヘン)生まれ、ドイツ(ベルリン)在住。
映像史やメディア論を背景に、インターネット以後の社会が抱く矛盾や混乱を問う作品を発表しています。本展では、テート(イギリス)にも収蔵されている作家代表作を展示します。

●谷口暁彦
1983年埼玉県生まれ、同県在住。
現実と情報空間の行き来や差異をテーマに、多様な技法で作品を発表しています。本展で発表する、監視カメラを操作し撮影・合成した写真作品は、インターネット上に張り巡らされた監視網の存在に気づかせます。

開催概要

会場

水戸芸術館 現代美術ギャラリー

会期

2018年2月10日(土)〜5月6日(日)

開館時間

9:30~18:00(入場時間は17:30まで)

休館日

月曜日、2月13日(火)、5月1日(火) ※ただし2月12日(月・祝)、4月30日(月・祝)開館

入場料

一般800円、前売り・団体(20名以上)600円
中学生以下、65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
【一年間有効フリーパス】
・「ハイティーンパス」(15歳以上20歳未満 ):1,000円
・「おとなのパス」(20歳以上):2,500円

【主催】

公益財団法人水戸市芸術振興財団

【助成】

公益財団法人野村財団

【協力】

アサヒグループホールディングス株式会社 、アビダルマ株式会社、株式会社ア・ファン、クリエイティブオルカ株式会社、株式会社アイラボ、株式会社アイテックプラス、株式会社ロフトワーク、株式会社リーテム、株式会社写真弘社、株式会社TASKO、株式会社ユニキャスト

【後援】

ブリティッシュ・カウンシル

【企画】

山峰潤也(水戸芸術館現代美術センター学芸員)

お問合せ

水戸芸術館(代表)TEL:029-227-8111

チケット情報

入場料 当日 前売・団体
一般800円600円
中学生以下無料
65歳以上・障害者手帳をお持ちの方無料
(付き添いの方1名)
フリーパス 一年間有効
ハイティーンパス(15歳以上20歳未満)1,000円
おとなのパス(20歳以上)2,500円

参考図版

デヴィッド・ブランディ《チュートリアル:滅亡に関するビデオの作り方》2014 Courtesy of Seventeen Gallery, London

サイモン・デニー《ブロックチェーンの未来予測/フェア用ブースと特別郵便切手:イーサリアム(リンダ・カンチェヴとの共作)》2016展示風景:第9回ベルリン・ビエンナーレ、ドイツ、2016 撮影:Hans-Georg Gaul Commissioned and coproduced by Berlin Biennale for Contemporary Art Courtesy of the artist and Galerie Buchholz Cologne / Berlin / New York(参考図版)

セシル・B・エヴァンス《溢れだした》2016 Courtesy of the artist and Emanuel Layr Galerie, Vienna※本作品は、約17分間のロボットによるパフォーマンス作品です。

ヒト・シュタイエル《他人から身を隠す方法:ひどく説教じみた.MOVファイル》2013 Courtesy of the artist and Andrew Kreps Gallery, New York ※この画像はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)の条件(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.ja)に同意される方であればどなたでもご利用いただけます。

エキソニモ《キス、または二台のモニタ》2017

小林健太《ピンク&ブルー, #ブラー #シャープネス》2016 Courtesy of the artist and G/P Gallery

谷口暁彦《address(アドレス)》2010~

レイチェル・マクリーン《大切なのは中身》 2016Commissioned by HOME, University of Salford Art Collection, Tate, Zabludowicz Collection, Frieze Film and Channel 4.

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