山下麻衣+小林直人 他者に対して、また他者と共に
2024年7月27日(土)〜10月6日(日) 10:00〜18:00(入場は17:30まで)
山下麻衣+小林直人は、映像作品やインスタレーションによって国内外で活躍するアート・ユニットです。コントロールの効かない不確かな存在としての自然をわからないままに捉え、どうにかして関係性を構築しようとする山下+小林の作品では、些細な日常が価値を持ったり、奇跡的な出来事へと転換したりといった場面に少なからず遭遇します。それは、鑑賞者の視点や価値観をささやかかつダイナミックに揺るがし、ときに世界の見方を変動させる力を持っています。それはまた、自然や動物を含めた「他者」、ひいてはこの世界に対するかれらの切実な関心が結実したものとも言えるでしょう。
本展では、山下+小林による多彩な表現と実践を、最初期の作品や国内未発表作を含め網羅的に紹介し、その全貌を紐解きます。また新作として、当センターの場の特性を活かし屋外広場で会期中に巨大な参加型作品を展開させます。災害やパンデミックを経て人と自然との不安定な関係が可視化され、また世界的な紛争の続く現在において、本展を通して「他者」との関係性を改めて考え、人々がそれぞれに見ている世界への認識を更新し、個々の存在のあり方を問う機会を創出します。
新作《人が花に対して、また花と共に行う営み》
参加型のプロジェクトとして、水戸芸術館の広場に「大丈夫」という文字を描いた大きな花壇を作ります。 月毎に花植え会を実施し、大規模な花壇は、一文字ずつ段階を追って花で彩られていきます。
運営メンバーを募り「花壇クラブ」として、作家とともに制作を進めています。活動の様子はウェブサイトにて紹介しています。また会期中は、展覧会にお越しになる方も花苗をお持ちいただければ花壇に植えることができます。
photo: Ryohei Yanagihara
山下麻衣+小林直人
プロフィール
山下麻衣(やました・まい/1976年、千葉県生まれ)、小林直人(こばやし・なおと/1974年、千葉県生まれ)によるユニット。2001年から公式に活動を開始する。東京藝術大学を修了後ドイツに渡り、各国のレジデンスプログラムに参加。現在は千葉県を拠点とする。クンストフェライン・ゲッティンゲン(ドイツ、2011年)、小山市車屋美術館(栃木、2015年)、黒部市美術館(富山、2021年)、千葉県立美術館(千葉、2023年)での美術館個展のほか、瀬戸内国際芸術祭2019などの国際芸術祭にも数多く参加している。
http://www.yamashita-kobayashi.com
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参考図版
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