コンサートホール ATMCONCERT HALL ATM
- 音楽
ちょっとお昼にクラシック 通崎睦美の「木琴デイズ」
2016年7月23日[土]
ランチタイムに、一流の演奏を気軽にお楽しみいただける「ちょっとお昼にクラシック」。7月は、マリンバ奏者で、現在は木琴奏者としても広く活躍しているアーティスト、通崎睦美さんが登場します。
通崎さんが木琴と出会ったのは2005年。「平岡養一の木琴でしか弾けない」という曲の演奏依頼を受けたことがきっかけでした。平岡養一(1907~81)とは、かつて木琴王国として知られていたアメリカで「世界一の木琴奏者」と評された人物。22歳で単身渡米し、日米開戦までの十年九か月もの間、NBCのラジオ番組で毎朝演奏しました。「全米の少年少女は平岡の木琴で目を覚ます」と言われるほどの人気を博し、戦後は日本でも活躍。軽やかに躍るような演奏スタイルで多くの聴衆を魅了しました。そんな彼が愛奏していた1935年製の木琴を譲り受けたのが通崎睦美さん。清々しくも心弾む音色に惹かれ、今では演奏に加え、吉田秀和賞を受賞した著作などを通じて、もはや忘れられつつあった木琴の魅力を蘇らせ、新たな生命を吹き込んでいるのです。
今回は、木琴の巨匠・平岡養一が十八番としていた親しみやすい小品やクラシックの名曲から、現代の作曲家が書いた木琴の未来を拓く作品まで、時空を越えた多彩な曲が演奏されます。ダイナミックで豊かな残響をもつマリンバとは一味違う、カラッと明るい愛らしさと、時を経てまろやかさをも纏った幻の木琴の音色を、通崎睦美さんの演奏で、心ゆくまでお楽しみください。
【出演】
通崎睦美(木琴)、鷹羽弘晃(ピアノ)
【曲目】
ブルック:ジー・ウィズ
ポッパー:ガヴォット 第2番 Op.23
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.305より第1楽章
フォスター/松園洋二編:金髪のジェニー
ハイドン:チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.VIIb-1より第3楽章
林光/野田雅己編:3つの小品 Ⅰひそやかに Ⅱゆらゆらと Ⅲうねうねと
鷹羽弘晃:木霊〜木琴独奏のための
ロドリゲス/野田雅己編:ラ・クンパルシータ
スピアレク・平岡養一編:日本狂詩曲〜貴志康一作品による
公演概要
会場
コンサートホールATM
開催日
2016年7月23日[土]
協力
サザコーヒー
チケット情報
料金
【全席指定】¥1,500(1ドリンク付き)
開場13:00 開演13:30
チケットの取り扱い
水戸芸術館エントランスホール・チケットカウンター水戸芸術館チケット予約センター TEL. 029-231-8000 ウェブ予約 http://arttowermito.or.jp/tickets/ticket.html(要登録)e+(イープラス) http://eplus.jp(PC・携帯)
お問合せ
水戸芸術館(代表)TEL:029-227-8111
【主催】
公益財団法人水戸市芸術振興財団
プロフィール
通崎睦美 Mutsumi Tsuuzaki
木琴 Xylophone
1967年京都市生まれ。5才よりマリンバを始める。京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了。常に作曲や編曲の委嘱を活発に行い、独自のレパートリーを開拓。ピアノ、ヴァイオリン、アコーディオン、箏、リコーダーを始めとする様々な楽器やダンスとのデュオ、マリンバ・トリオ、室内楽やオーケストラとの共演など、多様な形態で演奏活動を行っている。また、2005年2月、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会(指揮/井上道義)で、木琴の巨匠平岡養一氏が初演した紙恭輔「木琴協奏曲」(1944)を平岡氏の木琴で演奏したことがきっかけで、その木琴と約600点にのぼる楽譜やマレットを譲り受けた。以後、演奏・執筆活動を通して木琴の復権に力を注いでいる。一方、2000年頃よりアンティーク着物の着こなしが話題となり、コレクションやライフスタイルがテレビ朝日「徹子の部屋」などの様々なメディアで紹介されている。
2013年9 月には、平岡養一の音楽人生を描いた書籍『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』を講談社から上梓、高い評価を得て2014年には、音楽・演劇・美術などの分野で優れた評論を発表した人に贈られる第24回吉田秀和賞を、また、第36回サントリー学術賞(社会・風俗部門)をダブル受賞した。
CDに「MUTSUMI〜Songs from asia」「M×PIAZZOLLA」「届くことのない12通の手紙」「1935」「スパイと踊子」、著書に『天使突抜一丁目』『ソデカガミ~銘仙着物コレクション』『通崎好み』『天使突抜367』他。
http://tsuuzakimutsumi.com/
鷹羽弘晃 Hiroaki Takaha
ピアノ Piano
2001年桐朋学園大学作曲理論学科卒業。2009年よりパリ・エコール・ノルマル作曲科に留学。Diplome Supérieur取得。第68回日本音楽コンクール作曲部門入選。これまでに、室内楽、声楽を中心に作品を多数発表。ピアノ演奏では1999年第9回日本室内楽コンクール第1位(ヴィオラとの共演)。2003年「otoの会新作コンサートシリーズ」にて自作初演を含む全曲初演リサイタルを行った。また、JTアートホール「アフターヌーンコンサート」、NHK「FM名曲リサイタル」、Festival de l’Orangerie de Sceaux(フランス)等にも出演。2014年には向井山朋子監修のピアノコンサートシリーズMULTUS#3にて同氏らと共にテン・ホルト作曲の2時間を越える4台のピアノ作品の演奏ツアーに参加。指揮やピアノ演奏で現代音楽の分野での活動が多い。2014年よりNHK-FM「ビバ!合唱」のナビゲーターを毎月第4土曜日に担当中。