チケット

【重要なお知らせ】

コンサートホール ATMCONCERT HALL ATM

  • 音楽

内田光子 ピアノ・リサイタル

2011年11月1日[火] 

©Richard Avedon

内田光子の演奏に、音楽の「生命」を聴く

 現代最高のピアニストのひとりとして、世界中から尊敬と賞賛を集める内田光子のソロ・リサイタルが、遂に水戸芸術館で実現する。内田は、全身全霊をかけて作品の中に入り込み、徹底的な作品研究を背景に、他の誰も為し得ることのなかった新しい音楽の地平を、緻密な表現を通して現前させる。そんな内田の演奏に世界中の人々が熱狂する訳は、そこに生命の営みを感じるからではないだろうか。「曲のひとつひとつにはまったく別個の生命がある」と内田は語る。時を越え、場所を超えて存在する音楽作品が、温かく、この上もなく美しいピアノの音色を身に纏い、生き生きと聴く者の前に立ち現われるのだ。
 今回のリサイタルのプログラムは、シューマンの〈ダヴィッド同盟舞曲集〉とシューベルトの〈ピアノ・ソナタ イ長調 D959〉の2曲。シューマンが「ピアノを弾いていて幸せだった時といえば、この曲を作曲した時だ」と言及している、彼の最高傑作のひとつが〈ダヴィッド同盟舞曲集〉だ。「ダヴィッド同盟」とは、シューマンが空想した、新しい音楽の理想を追求する集団のこと。その名を冠したこの曲は、まさにシューマン渾身の作品だ。また、この作品はクララとの結婚を目前に控えた時期に書かれており、全編がクララへの愛情で彩られている。
一方、内田光子が「誰よりも心に語りかけ、強い影響を受けた、愛してやまない作曲家」と語るのが、シューベルトである。今回、内田が選んだのは、シューベルトの死の2カ月前に作曲された3曲のピアノ・ソナタの中でも、もっとも流麗で光溢れるイ長調のソナタ。この作品は、19世紀前半にベートーヴェンと並ぶ名ピアニストとして活躍したフンメルのために作曲されている。フンメルは前年ウィーンでシューベルトの歌曲を聴いて感涙し、貧しい生活を送るシューベルトを励ました。そのフンメルの温かな思いやりへの返礼のごとく、この作品は、シューベルトの最後の年の作品群の中で、格別の明るさに満ちている。
 シューマンもシューベルトも、すでにこの世から去ってしまった。しかし、残された作品には、今も「生命」が宿っている。内田光子の演奏は、きっとそのことを私たちに伝えてくれるだろう。

【出演】内田光子(ピアノ)

【曲目】
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 作品6
シューベルト:ピアノ・ソナタ イ長調 D959

【アンコール曲】
シューマン:〈謝肉祭〉 から 〈告白〉
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330(300h) から 第2楽章

公演概要

会場

コンサートホールATM

開催日

2011年11月1日[火] 

チケット情報

料金

【全席指定】A席13,000円  B席11,000円
18:30開場 19:00開演


チケットの取り扱い
水戸芸術館エントランスホール・チケットカウンター
水戸芸術館チケット予約センター TEL. 029-231-8000
MUSIC SHOP かわまた TEL. 029-226-0351
ヤマハミュージック関東 TEL. 029-244-6661
チケットぴあ TEL. 0570-02-9999(Pコード 147-684)
CNプレイガイド 0570-08-9990
チケットご購入について
発売初日に芸術館でお求めになれるチケットは、本公演ではお1人様1回につき2枚までとさせていただきます。

お問合せ

水戸芸術館(代表)TEL:029-227-8111

プロフィール

©Richard Avedon

内田光子

ピアニスト
「内田は、内田以外の何ものでもない。何を演奏しても、そのエレガントで深淵な音楽の解釈が、知性と情感の絶妙のバランスを現出させる。」(シカゴ・トリビューン紙)
ザルツブルク音楽祭とザルツブルク・モーツァルト週間のアーティスト・イン・レジデンスを務め、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やハーゲン・クァルテットとの共演など世界中で精力的に演奏活動を繰り広げ、2010/11シーズンは、パリやニューヨークでのリサイタル、ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団とのヨーロッパ・ツアーのほか、ムーティ指揮と自身の弾き振りでシカゴ交響楽団、サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団、イアン・ボストリッジなどとの共演を予定。
デッカからモーツァルトのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲全曲、シューベルトのピアノ・ソナタ全曲、ドビュッシーのエチュード、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲など録音多数。ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団と共演したシェーンベルクのピアノ協奏曲の録音は、グラモフォン賞の最優秀協奏曲賞をはじめ、4つの賞を受賞。
クリーヴランド管弦楽団を弾き振りした1枚目のアルバム(モーツァルト K488、K491)で、2011年度グラミー賞「最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞」を受賞。11年1月にはクリーヴランド管弦楽団を弾き振りした2枚目のアルバム(K466、K595)がリリースされた。
リチャード・グードとともにマールボロ音楽祭のディレクターも務める。05年、日本芸術院賞を受賞、文化功労者に選ばれる。09年には日本人として初の大英帝国勲章「デイム」の称号を授与された。
水戸芸術館では、01年にマールボロ音楽祭で出会った若い演奏家たちとともにシェーンベルクの〈月に憑かれたピエロ〉をはじめとする室内楽の演奏会を行っている。今回は待望のソロ・リサイタルが実現する。