企画・おはなし:池辺晋一郎クリスマス・プレゼント・コンサート2020
2020年12月20日(日) 16:15開場 17:00開演(19:30頃終演予定)
水戸出身で日本を代表する作曲家・池辺晋一郎の企画とお話しでお贈りする水戸芸術館の「クリスマス・プレゼント・コンサート」。今年はサクソフォンとポジティフオルガン、ヴァイオリンとピアノ、そしてソプラノからバリトンまで4名の声楽家という多彩で豪華な演奏家たちを迎え、聖夜を華やかに彩ります。毎年恒例のクリスマス・プレゼント・コーナーもお楽しみに!
【出演】
池辺晋一郎(企画・おはなし)、平野公崇(サクソフォン)、梅干野安未(ポジティフオルガン)、三上亮(ヴァイオリン)、宮澤むじか(ピアノ)、鷲尾麻衣(ソプラノ)、清水華澄(メゾ・ソプラノ)、望月哲也(テノール)、青山貴(バリトン)、髙田恵子(ピアノ)
1 「サックスの革命児」とオルガンの妙なる調和
◎平野公崇(サクソフォン) 梅干野安未(ポジティフオルガン)
バルバートル:ノエル〈偉大なる神、あなたの慈しみ〉★
J.S.バッハ(平野公崇編曲):カンタータ 第147番 より “主よ、人の望みの喜びよ”
チャイコフスキー(平野公崇編曲):〈四季〉より “1月 炉端で”
フランク:退堂曲 ニ長調 〜〈来たれ、神の救世主よ〉のテーマによる〜★
平野公崇:〈エスプリ・ドゥ・ジャポン〉より “赤とんぼ”
バーリン:ホワイト・クリスマス ★:オルガン・ソロ
コンサートの幕開けは、サクソフォンのイメージを覆すような繊細かつ芳醇な音色で聴く人を魅了する「サックスの革命児」こと平野公崇と、パリ国立高等音楽院で研鑽を積み、ノートルダム大聖堂でのリサイタルをはじめ、国内外で演奏活動を行っている気鋭のオルガニスト・梅干野安未のデュオをお楽しみください。近年共演を重ねる2人がお届けするのは、平野自身が作曲・編曲を手掛けた作品を含む季節感あふれるプログラム。今回登場するポジティフオルガンは512本のパイプ、10の音色を持つ小型のオルガンです。大オルガンと一味違った温かな音色で、サックスとの親密なハーモニーを奏でてくれることでしょう。
★クリスマス・プレゼント・コーナー
毎年大好評! サンタクロースからのプレゼントが当たる抽選会です。皆様の座席番号でくじ引きを行います。
2 水戸から世界に羽ばたいたヴァイオリニスト・三上亮が奏でる情感あふれる弦の調べ
◎三上亮(ヴァイオリン) 宮澤むじか(ピアノ)
ベートーヴェン:6つのメヌエット WoO10 より 第2番 ト長調
アクロン:ヘブライの旋律 作品33
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン 作品20
マスネ:タイスの瞑想曲
第2ステージには水戸生まれのヴァイオリニスト・三上亮が登場! 学生時代に水戸芸術館の「ヴァイオリンとピアノのためのデュオ・セミナー」を4年間受講後、アメリカやスイスで研鑽を積み数々のコンクールで入賞、2011年まで札幌交響楽団のコンサートマスターを務め、近年は全国5都市でリサイタル・ツアーを行うなど高い注目を集めるヴァイオリニストです。2016年からは水戸室内管弦楽団にもゲスト奏者としてしばしば参加し、メンバーと一緒に水戸の皆さんに演奏をお届けしてきました。今回は共演を重ねているピアニスト・宮澤むじかとともに、情感あふれる音色で珠玉の名曲をお贈りします。
3 豪華歌手が集結!心に響く声の饗宴
◎鷲尾麻衣(ソプラノ) 清水華澄(メゾ・ソプラノ)
望月哲也(テノール) 青山貴(バリトン) 髙田恵子(ピアノ)
池辺晋一郎:ふるさとは(鷲尾)
ドナウディ:私の愛の日々(望月)
シューマン:〈ミルテの花〉作品25 より 第1曲 “献呈”(清水)
R.シュトラウス:《最後の花びら》よりの8つの歌 作品10 より 第1曲 “献呈”(青山)
プッチーニ:〈ジャンニ・スキッキ〉より “私のお父様” (鷲尾)
サン=サーンス:〈サムソンとデリラ〉より “あなたの声に私の心は開く”(清水)
ヴェルディ:〈リゴレット〉より “ほほの涙が(望月)
ワーグナー:〈タンホイザー〉より “夕星の歌” (青山)
ヴェルディ:オペラ〈リゴレット〉より 四重唱“美しい乙女よ”(全員)
アダン:オー・ホーリー・ナイト(全員)
最後のステージは、わが国の声楽界の第一線で活躍する4名の歌手が一堂に会する贅沢な声の饗宴! 持前の華やかな声に加え、近年深みを増した表現で活躍の幅を広げているソプラノ・鷲尾麻衣、圧倒的な歌唱で日本のオペラ界でなくてはならない存在となっているメゾ・ソプラノの清水華澄、2018~20年の「水戸 de Opera」でお馴染み、日本を代表するリリック・テノールの望月哲也、ふくよかかつ張りのある声で高い人気を誇るバリトン・青山貴という豪華な歌手陣が、それぞれの得意とする歌曲とオペラ・アリア、そして最後には大迫力の四重唱をお届けします。ピアノは、歌に寄り添う演奏で歌手から厚い信頼を得ている髙田恵子。じかに心に届く、人間の声の魅力を存分にご堪能ください。
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© 東京オペラシティ文化財団 撮影:武藤章
池辺晋一郎
Shin-ichiro Ikebe, Produce & Talk
企画・おはなし
プロフィール
1943年水戸市生まれ。67年東京藝術大学卒業。71年同大学院修了。池内友次郎、矢代秋雄、三善晃、島岡譲に師事。66年日本音楽コンクール第1位。同年音楽之友社室内楽曲作曲コンクール第1位。1968年音楽之友社賞。以後ザルツブルクTVオペラ祭優秀賞、イタリア放送協会賞3度、国際エミー賞、芸術祭優秀賞4度、尾高賞3度、毎日映画コンクール音楽賞3度、日本アカデミー賞優秀音楽賞9度(内、3度最優秀賞)などを受賞。97年NHK交響楽団・有馬賞。2002年放送文化賞。04年紫綬褒章。08年茨城県特別功績者。18年文化功労者、JXTG音楽賞。交響曲第1~10番、オペラ《死神》《鹿鳴館》をはじめ、多分野にわたり多くの作品を手がけ、映画「影武者」、「うなぎ」、TV「八代将軍吉宗」、「元禄繚乱」などの音楽も担当。また随筆集、対談集など著書も多い。1996年より13年間「N響アワー」の司会を担当。現在、東京音楽大学名誉教授、東京オペラシティ文化財団ミュージック・ディレクター、石川県立音楽堂・洋楽監督、横浜みなとみらいホール館長、せたがや文化財団音楽事業部音楽監督。水戸芸術館では音楽部門ミュージック・アドヴァイザーとして、「クリスマス・プレゼント・コンサート」などの演奏会企画で好評を博している。
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© ノザワヒロミチ(CAPSULEOFFICE)
平野公崇
Masataka Hirano, Saxophone
サクソフォン
プロフィール
正統派クラシックから、即興、ジャズまで、幅広いフィールドを縦横無尽に駆け抜ける実力派サクソフォニスト。東京藝術大学卒業後パリ国立高等音楽院で学ぶ。J.M.ロンデックス国際コンクールを制し、日本人サクソフォニストとして初の国際コンクール優勝者となりオーケストラ・ナショナル・ボルドー・アキテーヌとの共演で華やかなフランス・デビューを果たす。国内外のオーケストラとの共演、ジャズメンとのコラボレーション多数。2000年「ミレニアム」で日本デビュー以来様々なジャンルとのコラボレーション、コンチェルトの自作自演等活動は多岐にわたる。ブルーオーロラ サクソフォン・カルテットのリーダー。
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梅干野安未
Ami Hoyano, Positive Organ
ポジティフオルガン
プロフィール
東京藝術大学オルガン科及び同大学院修了。学内にて安宅賞、アカンサス音楽賞、同声会賞受賞。その後文化庁新進芸術家海外研修制度の支援を受け、パリ国立高等音楽院で学ぶ。オルガン科の学士及び修士課程を修了し、同時にエクリチュール(作曲書法)科では和声とルネサンス対位法のプリを獲得。その後ブリュッセル王立音楽院にてベルナール・フォックルール氏のもとで研鑽を積んだ。フランス・ベテューヌ国際オルガンコンクール入賞 、ルクセンブルク・デュドランジュ国際オルガンコンクール優勝。日本やヨーロッパ各国での演奏活動のほか、近年では国際オルガンコンクールの審査員に招かれるなど、教育活動にも積極的に取り組んでいる。所沢ミューズ第3代ホールオルガニストを経て、現在は同ホールオルガンスクールで講師を務めるほか、東京藝術大学教育研究助手、明治学院非常勤オルガニスト、アトリエ・バロック・オルガン教室講師を務めている。オフィシャルホームページ www.amihoyano.com
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三上亮
Ryo Mikami, Violin
ヴァイオリン
プロフィール
東京芸術大学音楽学部首席卒業後、アメリカ南メソディスト大学メドウズ音楽院、ローザンヌ高等音楽院、メニューイン国際音楽アカデミーで研鑽を積む。安宅賞、日本音楽コンクール第2位、ブリテン国際ヴァイオリンコンクール特別賞、ストラディヴァリウスコンクール第2位など受賞。2011年まで札幌交響楽団コンサートマスターを務める。2013年巨匠イェルク・デームス氏とデュオリサイタルを開催し好評を博した。現在は東京藝術大学非常勤講師の他、サイトウ・キネン・オーケストラ、ヴィルタスクヮルテットのメンバーとしても活躍。これまでに「パッサカリア」「ツィガーヌ」「奏」など5枚のCDをリリース。使用楽器は1628年製ニコロ・アマティ。
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宮澤むじか
Musica Miyazawa, Piano
ピアノ
プロフィール
札幌コンセルヴァトワールにてピアノを学ぶ。パリ・エコール・ノルマル音楽院ピアノ科、室内楽科、ピアノ科の演奏家ディプロマを全て審査員満場一致で取得し卒業。パリ・スコラ・カントルム音楽院の高等ディプロマを首席で取得。1993年、ザグレブ国際ピアノコンクール優勝、及びクロアチア人作品最優秀演奏者賞を受賞する他、第15回ポルトー国際コンクール入賞、及び最年少ファイナリスト賞受賞。近年は札幌、東京を拠点に日本各地、フランス、ベトナム、海外でも演奏活動を行う他、日本舞踊家の藤間蘭翔や華道家の假屋崎省吾とのコラボレーションステージなども展開している。 現在札幌コンセルヴァトワール専任講師。
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鷲尾麻衣
Mai Washio, Soprano
ソプラノ
プロフィール
東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。文化庁在外研修員としてニューヨークへ、ローム ミュージック ファンデーション特別研究生としてロンドンにて研鑽を積む。セントアンドリューズ国際コンクール優勝、第7回東京音楽コンクール第2位等国内外で入賞多数。ニューヨークハンターカレッジ〈安寿と厨子王〉に主演し、NYタイムズ紙に絶賛された他、プエルトリコIVAI〈魔笛〉夜の女王、2008年カーネギーホールのオーケストラコンサートソリストに抜擢される。帰国後も、新国立劇場〈ドン・ジョヴァンニ〉ツェルリーナ、同〈魔笛〉パパゲーナ、東京芸術劇場〈真珠とり〉レイラ、〈ドン・ジョヴァンニ〉ドンナ・エルヴィーラなど数多くの舞台に出演。二期会会員。
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© Takehiko Matsumoto
清水華澄
Kasumi Shimizu, Mezzo-soprano
メゾ・ソプラノ
プロフィール
国立音楽大学大学院、新国立劇場オペラ研修所修了後、渡伊。留学中、ウィーンバーデン市立劇場〈こうもり〉に出演。国内では二期会〈カヴァレリア・ルスティカーナ〉サントゥッツァ、〈ドン・カルロ〉エボリ公女、〈ローエングリン〉オルトルート等に出演。最近ではA.バッティストーニ指揮〈アイーダ〉アムネリス、新国立劇場〈紫苑物語〉(世界初演)うつろ姫等話題のオペラで卓越した演唱が高く評価された。コンサートでもヴェルディ〈レクイエム〉、マーラー〈復活〉等で国内外の著名指揮者と共演し、信頼を得る演奏を披露。18年には紀尾井ホールにて自身初のリサイタルを開催し、NHKでも放送された。第6回カルロス・ゴメス国際コンクール第2位。二期会会員。
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© FUKAYA Yoshinobu auraY2
望月哲也
Tetsuya Mochizuki, Tenor
テノール
プロフィール
東京藝術大学大学院修了後、渡欧。ウィーン国立音楽大学研究課程リート・オラトリオ科にて研鑽を積む。2006年二期会〈皇帝ティートの慈悲〉タイトルロールで高い評価を得たほか、新国立劇場などで〈魔笛〉タミーノ、〈ワルキューレ〉ジークムント、〈ラ・ボエーム〉ロドルフォなどを演じている。コンサートでもJ.S.バッハ〈受難曲〉のエヴァンゲリスト、〈レクイエム〉(モーツァルト、ヴェルディ)などで、サヴァリッシュ、アシュケナージ、デュトワなどの指揮者と共演。ギター共演による「望月哲也 シューベルト三大歌曲シリーズ」は、〈冬の旅〉〈水車小屋の娘〉〈白鳥の歌〉といずれも注目を集めた。男声ユニット≪IL DEVU≫のメンバーとしても活躍。二期会会員。
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青山貴
Takashi Aoyama, Baritone
バリトン
プロフィール
東京藝術大学大学院、二期会オペラ研修所マスタークラス修了。研修所修了時、最優秀賞受賞。新国立劇場オペラ研修所を経て渡伊。これまで、新国立劇場〈蝶々夫人〉シャープレス、二期会〈ナブッコ〉タイトルロールの他、びわ湖ホール《ニーベルングの指環》では〈ラインの黄金〉〈ワルキューレ〉いずれもヴォータン、〈ジークフリート〉旅人で好評を博す。コンサートでは〈メサイア〉、〈レクイエム〉(モーツァルト、ヴェルディ、フォーレ)、〈ドイツ・レクイエム〉などで高い評価を得ている。男声ユニット“IL DEVU”メンバーとしても活躍。第19回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞、第4回マグダ・オリヴェーロ国際コンクールファイナリスト。二期会会員。
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髙田恵子
Keiko Takata, Piano
ピアノ
プロフィール
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部演奏学科を経て、同大学研究科を修了。2009年 第14回日本モーツァルト音楽コンクール奨励賞。10年第8回チェコ音楽コンクール第2位。桐朋学園大学声楽部会の嘱託演奏員を務めた後、現在は二期会オペラ研修所、日本声楽家協会ピアニスト。ピアノソロ、声楽や器楽との共演で各地の演奏会に出演する他、オーケストラの鍵盤奏者としてなど、演奏活動を続けている。19年 オクタヴィアレコードよりソロアルバム 「ピアノは歌う~もしも詩(うた)がなかったら~」をリリース。レコード芸術準特選版に選ばれる。
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