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2024-05-31 更新
「水戸室内管弦楽団 第113回定期演奏会」お客様からのご感想
水戸室内管弦楽団 第113回定期演奏会
(指揮:ラデク・バボラーク ピアノ独奏:マルタ・アルゲリッチ)
2024年5月25日(金)19時開演、26日(土)15時開演
5月25日(土)26日(日)に開催した水戸室内管弦楽団(MCO)第113回定期演奏会では、ピアニストにマルタ・アルゲリッチさんをお迎えし、ラデク・バボラークさんの指揮でお贈りしました。県外の遠方からいらしてくださったお客様も多く、おかげさまで両日ともチケットは完売。満場の皆様からあたたかい拍手を賜りまして、誠にありがとうございました。
演奏会の最初には、2024年2月に逝去された水戸芸術館館長・水戸室内管弦楽団総監督の小澤征爾氏と、同じく3月に逝去された水戸室内管弦楽団パーソナルマネージャーの志賀佳子氏というMCOにとって大切なお二人を悼み、MCOの弦楽器奏者たちによりJ. S. バッハ作曲、マーラー編曲の〈G線上のアリア〉(《管弦楽組曲 第3番》ニ長調 BWV1068 第2曲)が献奏されました。
演奏会の前半は、ブルックナー〈交響曲 第1番〉(リンツ稿)をお贈りしました。2024年がブルックナーの生誕200年の記念の年であったことに加え、指揮を務めたバボラークさんにとっては、小澤さんとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で共演した思い出深い作品でもあったことから、小澤さんへの追悼の思いも込めて今回の演奏曲目に選ばれました。この作品は、MCOがこれまでの定期演奏会で取り上げた曲の中では最も大きな楽器編成であり、室内オーケストラであるMCOにとっては新たな挑戦ともなりました。弦楽器セクションの人数が多い大編成オーケストラよりも相対的に管楽器がよく響くバランス、そして精鋭揃いのMCOならではの機動力が高く精緻なアンサンブルによって、ブルックナーの新たな魅力が描き出されたのではないかと思います。
後半は、今回で6度目の共演となったマルタ・アルゲリッチさんとのプロコフィエフの〈ピアノ協奏曲 第3番〉。前半は荘厳な響きに包まれていたホールが、アルゲリッチさんのオーラでホールの空気が一変し、快活さとどこか懐かしさを漂わせる情感をあわせ持つ独特な世界に包まれました。アルゲリッチさんの一気に変えてしまったかのようでした。アルゲリッチさんは、力強いタッチから鍵盤を軽やかに転がるような柔らかく滑らかなタッチまで自在に音色を操り、まさに誰もが心惹かれる圧巻の演奏を披露。MCOもその演奏に即座に応えて、息もつかせぬ協演が繰り広げられ、客席からはスタンディング・オベーションが贈られました。
アンコール
5/25 J.S.バッハ:イギリス組曲第3番 BWV808より ガヴォット
5/26 シューマン:子どもの情景より 1. 見知らぬ国と人々について
両日共通 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番第3楽章より
公演写真とともに、ご感想の一部を掲載いたします。
ブルックナー:交響曲 第1番 ハ短調 WAB.101(リンツ稿)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26
写真:大窪道治
〈お客様からのご感想〉
♦素晴らしいの一言です! 小澤さんが亡くなって初めての公演いうこともあり、皆が心ひとつになっているように感じました。とてもあたたかく幸せなひとときでした。(50代、女性)
♦2曲ともエネルギッシュで大迫力でありながら濁りのない明瞭な響きと線の揃ったリズムの躍動感があり、聴き応え十分でした。圧巻はアルゲリッチさんのピアノ。ただただ息を呑み呆れるほど技巧に感心しきり、音の粒が心地よく伝わりました。終わった瞬間から場内総立ちの拍手と歓声に包まれたのも納得の演奏でした。(60代、男性)
♦小澤征爾さんのメモリアルコンサートとして、とても感慨深く最初のアリアでグッとこみ上げてくるものがありました。これからの音楽界もずっと小澤さんの遺志を受け継いで、MCOが長く続いていけば良いなと思います。アルゲリッチと偉大な小澤さんとの協演もこちらのホールで全て聴かせていただきました。来年も彼女が元気で水戸に来てくれることを願います。(70代、女性)
♦ブルックナーは沸々と湧く曲想の数々が終楽章で昇華していく過程に立ち会った気分。プロコフィエフは、何故か日本的な粋と間さえ感じた。そしてアルゲリッチのピアノ!! 妙技と風格との共存が体現されていると思った。(50代、男性)
♦ブルックナーはあまり好んで聴く作曲家ではないが、今日演奏を聴いて面白いと思った。楽器の移り変わり、moll→durの変わる場面、ブルックナーのオーケストラ曲を他にも聴いてみたいと思いました。 ティンパニーってすごい! コンチェルト素晴らしい!涙が出ました。生きるパワーをありがとう!(60代、女性)
♦追想と新たな船出というテーマに相応しい素晴らしい演奏でした。今後のMCOのご活躍にも期待しております。(30代、女性)
♦ホールの規模が大きすぎず、小さすぎずで、演者と観客が一体となる感じがとてもよかった。(60代、女性)
ほか、たくさんのご感想をありがとうございました。
いただきましたご感想につきましては、今後の参考とさせていただきます。
水戸芸術館音楽部門