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2025-07-27 更新

【茨城新聞・ATM便り】7月27日付の記事を掲載しました~聴覚発達早い赤ちゃん~

茨城新聞で水戸芸術館音楽部門が月1本のペースで連載しているコーナー「ATM便り」。7月27日掲載の記事を転載します。
今回は、8月11日(月・祝)に開催する「0歳からのわくわくオルガン・コンサート にぎやか★オルガン」に関する記事です。

演奏会は、8月11日(月・祝)、11時開演。
出演は、浅井美紀さん(オルガン)、上原なな江さん(パーカッション)です。
チケットは、全席指定子ども(0歳~小学生)500円、一般(中学生以上)1,000円。
皆さまのご来場をお待ちしております。


 

聴覚発達の早い赤ちゃん

 生まれたばかりの赤ちゃん。外からの刺激を受けながら五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)もめきめき発達していきますが、これらはいったいどのように発達していくのでしょうか。
嗅覚は、大人と同じくらいに、あるいはそれ以上に発達しているそうです。母親のお腹のなかにいる時から発達しており、とりわけ、母親のからだのにおいや母乳のにおいなど、生きるために必要なにおいを嗅ぎ分ける能力に長けています。
味覚も、大人と同じくらいに、あるいはそれ以上に発達しているそうです。一説によると、赤ちゃんは味覚を感じる神経細胞を大人の約1.3倍持っています。ミルクに含まれる旨味や甘味を感じ取ることができるのはもちろん、酸味や苦味にも徐々に慣れていきます。
触覚は、母親のお腹のなかにいる時から1歳頃にかけてぐんぐん発達していくそうです。いろいろなものを触ったり、自分が触られたりする経験を積むうちに、熱い/冷たい、かたい/やわらかいといった感覚だけでなく、痛い、かゆいといった感覚も獲得していきます。
視覚は、五感のなかで最も発達が遅いそうです。生まれたばかりでは30センチメートル先がぼんやりと見えるくらいで、これを大人の視力に換算すると0.02程度。3ヶ月を過ぎる頃になると0.05から0.1程度くらいに上がり、立体感や遠近感も徐々に捉えることができるようになってきます。
そして、最も早く発達するのは聴覚なのだそうです。母のお腹のなかにいる時から発達しており、人の声や音の違いを聞き分けることができます。とりわけ、母の声を認識する能力に長けています。お腹の中の赤ちゃんにクラシック音楽などを聞かせたり、積極的に話しかけたりしたとき、赤ちゃんはその音楽や声をきっと捉えていることでしょう。
様々な刺激を受けて五感のアンテナをめいっぱい張りながら、たくさん遊んで体を動かすことで、生命維持や本能を司る脳の部分(脳幹や大脳辺縁系)が健やかに育つという研究もあるようです。8月11日(月・祝)に水戸芸術館コンサートホールATMで行われる「0歳からのわくわくオルガン・コンサート にぎやか★オルガン」は、0歳からご入場いただけるコンサートです。ぜひこの機会に、ご家族で生の音楽を体験してみませんか。


水戸芸術館音楽部門学芸員・角増 柊