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2026-05-30 更新
「明後日朝顔プロジェクト2026水戸」苗植え
2026年5月30日文 :竹久侑 撮影:仲田絵美
「明後日朝顔プロジェクト」の始まりは、2003年に新潟で開催された「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003」にさかのぼります。この芸術祭に出品作家として招かれた日比野克彦さんが、十日町市の山間の集落である莇平(あざみひら)で廃校を拠点に「明後日新聞社」の活動をする傍ら、集落の人たちとの会話から生まれたもう一つの取組みが、村の人たちと一緒に朝顔を育てるというものでした。一年草である朝顔は、春に芽を出し、夏に花を咲かせ、秋には種を実らせます。2003年以来、莇平では自然のサイクルに合わせて毎年、日比野さんと朝顔を育てるようになりました。その種(苗)が、2005年に水戸へ渡ったのです。2005年に当館で開催した日比野さんの個展「HIBINO EXPO 2005 日比野克彦の一人万博」を機に、前年に莇平で採れた種から芽を出した朝顔の苗を、莇平の人たちが水戸まで運んで来てくれました。以来、水戸でも毎年、人と人、人と地域、地域と地域をつなぐアートプロジェクトとして「明後日朝顔」を育てています。2005年の水戸への展開をきっかけに、このプロジェクトは他の地域にも広がり、2007年には「明後日朝顔プロジェクト」と名付けられました。プロジェクト誕生から23年が経った今年は、北は気仙沼から南は沖縄まで、26地域と1団体がそれぞれの地でこのプロジェクトを実施しています。
水戸では、2023年に水戸市民会館が芸術館の隣に新しく開館したのをきっかけに、これまで市民による明後日朝顔プロジェクト実行委員会と当館による主催で行ってきた本プロジェクトを、京成百貨店と水戸市民会館も主催に加わり、MitoriOの3施設が連携して地域での交流を育む活動として実施するようになりました。そして、水戸21の会が縁の下の力持ちとして毎年ご協力くださっています。歴代ウッドデッキの制作は水戸21の会の協力なくしては成りえませんでした。
市民会館での苗植えの様子
京成百貨店での苗植えの様子
プランターを運び入れる水戸21の会のみなさんそして、茨城県立水戸農業高等学校からもご協力を得て、水戸の朝顔を種から苗まで育てていただくとともに、同校の谷田部尊意先生から育成にかかるアドバイスをいただいています。今年は土づくりの段階からご助言をいただき、お米のもみ殻をたっぷり混ぜて土を軽くし、ふわふわな土に苗を迎え入れることができました。
自然由来の堆肥で土をふかふか栄養たっぷりにさらに、今年の新しい広がりとして、茨城県立第三高等学校が今年創立100周年を迎えるにあたり、周年事業として「明後日朝顔プロジェクト水戸」を同校でも実施することになりました。昨秋の収穫から生徒たちは当館での本プロジェクトに参加し、今年はいよいよ本プロジェクトの朝顔を同校でも育てます。苗植え当日は、プロジェクト担当の生徒が先生方と一緒に参加してくれました。そして、もう一つの新たな広がりとして、日比野さんが学長を務める東京藝術大学より、「ケア×アート」をテーマにした人材育成プロジェクト「DOOR」の受講生が、授業の一環として参加されました。さらに一般公募の参加者が加わり、総勢70名を超えるみなさまとともに実施いたしました。
日比野さんの説明を聞く参加者のみなさん当日は快晴。5月とは思えない暑さで、熱中症が心配なほどでした。午前はロープ張り、苗植え、午後にはウッドデッキのペイントと盛沢山の活動です。水戸のほかに、気仙沼、莇平、新潟、珠洲、金沢、富岡、岐阜、ながら、姫路、熊本、天草とそれぞれの地で本プロジェクトを実施する各地の主催者から苗を送っていただき、水戸の地で一緒に育てます。
各地から送っていただいた苗たち昼休みをはさんで夕方までの活動を予定していましたが、大勢の参加者のみなさんのおかげでとてもスムーズに進み、予定より早く終了することができました。昨年の苗植えは珍しく雨に降られ、ウッドデッキのペイントができなかったため、今年ようやく五代目となったウッドデッキに初めて色とりどりの蔓の絵をみんなで描きました。これで、まぶしかった白のウッドデッキからの照り返しも少し和らぐことでしょう。まさに地域における人と人、地域を超えた人と人が、「明後日朝顔」を通して交流した一日でした。
種が採れた地域がちがえば、葉っぱの形も花の色も異なります。元はみな2003年の莇平にたどれますが、各地の記憶をそれぞれDNAに携えた朝顔たちが、今年はどんな花を咲かせてくれるでしょうか。ぜひ、芸術館にお越しの際は、「明後日朝顔」もご覧ください。

「明後日朝顔プロジェクト2026水戸」苗植えの詳細はこちら
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5434.html