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    2026-08-20 更新

    【茨城新聞・ATM便り】8月20日付の記事を掲載しました~講座 片山館長とめぐるシリーズ 第1回 武満徹をめぐる~

    茨城新聞で水戸芸術館音楽部門が月1本のペースで連載しているコーナー「ATM便り」。8月20日掲載の記事を転載します。
    今回は、「講座 片山館長とめぐるシリーズ 第1回 武満徹をめぐる」に関する記事です。

    講座は、9月5日(土)、14時00分開演。
    出演は、講師:片山杜秀(音楽評論/水戸芸術館館長)、司会:大津良夫(水戸市芸術振興財団常務理事)です。
    チケットは、【全席自由】1,000円。
    皆さまのご来場をお待ちしております。


    「奥の院」へ誘う参道

     2024年11月、水戸芸術館第3代館長に就任した音楽評論家で政治学者の片山杜秀氏。龍ケ崎市に居を構える茨城県民でもある片山館長自らが講師を務め、音楽や芸術の深淵を案内する新シリーズ「講座 片山館長と『めぐる』シリーズ」が、このたび始動します。第1回のテーマは、今年没後30年を迎える作曲家・武満徹です。
    片山館長はその就任会見において、当館の使命について寺社仏閣を例に出しながら次のように語りました。「手前の『門前』には多くの人が集まり楽しむ賑わいが必要だけれども、それだけで終わってしまっては不完全です。その先にある、より深く本質的な真理に触れられる『奥の院』まで、いかにお客様のほうから能動的に入ってきていただけるかが肝心なのです。ただ漫然と間口を広くするのではなく、その間口をきっかけとして、いかに深いところまでご一緒できるか。それが水戸芸術館の使命です」。
    「奥の院」と「門前」は、単に位置関係を表すだけではなく、さまざまな面で表裏一体の関係を築いているのではないでしょうか。たとえば、「聖と俗」という面。寺社の空間を、「門前(俗世)」を起点とし、鳥居や山門、手水舎、本堂を経て、最も奥深くに位置する「奥の院(聖域)」へと至る時間的・心理的な移ろいを味わえる構造と捉えることもできます。つまり、門前から奥の院へとのびる道のりを歩むこと自体が、日常から神仏の領域へと深く入っていく体験、いわば、身を清めるプロセスになっているというわけです。
    また、機能的にみれば、門前の宿場や土産物店、そして門前町がもたらすにぎわいが、寺社全体や奥の院という神聖な環境を維持・保護するための基盤となっている(門前があるから奥の院がある)一方で、「強い霊験や開祖の御廟にお参りしたい」と願う人々を奥の院が惹きつけるからこそ、各地から人が集まり、結果として門前に町が形づくられる(奥の院があるから門前がある)とみることもできます。
    本講座は、まさに門前と奥の院をつなぐ参道となることでしょう。そして、参道を通っていった後は、ぜひ武満の生の音楽、すなわち奥の院に触れてみてください。本講座の後には、武満の“うた”や室内楽作品を取り上げる公演「武満の肖像」や、武満の生涯で最長の現代雅楽作品〈秋庭歌一具〉を楽しめる公演「今昔雅楽集 四、秋庭歌一具」が予定されています。秋の気配が近づく9月初頭、片山館長との芸術を「めぐる」旅へ、皆様ぜひお越しください。
     

    水戸芸術館音楽部門・角増柊