2021-11-05 更新
「第31回吉田秀和賞」 受賞書籍 入荷しました!
平成2年に創設いたしました吉田秀和賞 は、優れた芸術評論を発表した人に対して賞を贈呈し、芸術文化を振興することを目的として 当財団が運営しております。第31回目となりました今回は、昨年に引き続き審査委員に磯崎新氏と片山杜秀氏を迎え、厳正に審査を行ないました結果、 候補書籍の総数 106 点 音楽 27 点 演劇 13 点 美術 35 点 映像 14 点 建築 12 点その他5 点 )の中から、前田良三 氏の『 ナチス絵画の謎 逆襲するアカデミズムと「大ドイツ美術展」 』( みすず書房 令和 3 年 3 月刊)に 決定 いたしました。
【第31回吉田秀和賞受賞】

前田 良三 著
『 ナチス絵画の謎 逆襲するアカデミズムと「大ドイツ美術展」 』
「ナチス絵画」とは何か。戦争画をはじめ、そのプロパガンダ的要素や国民にとっての「わかりやすさ」については、ほぼ周知であろう。だが、より広い文脈で考えたとき、そこにはさまざまな要素や背景が絡んでいることがわかる。
本書は、1937年に「頽廃美術展」と同時にミュンヘンで開催された「第1回大ドイツ美術展」、とりわけそこに出品され注目を浴びたアドルフ・ツィーグラーの絵画作品『四大元素』を主な対象に、狭義の美術史やナチス研究とは異なる複合的視点から、ナチス美術のあり方をさぐる考察である。具体的には、ツィーグラーという人物とその背景、ナチスの芸術政策の展開、ミュンヘン造形美術アカデミーの歴史、美術アカデミー制度とモダニズム美術の関係、ナチス美術における絵画技術と複製技術メディアの問題、ドイツ・近代美術史におけるミュンヘンの位置、世紀末ドイツ美術界における「ドイツ芸術論争」などの論点を手がかりに、その全体像に迫る試みである。
「大ドイツ美術展」に展示された無名に近い画家たちの絵画はどのようなものであったか。「頽廃」の烙印を押されたミュンヘンの画家たちは? さらにナチス建築の折衷主義、ヒトラーやゲッベルスの発言を含む歴史的資料の検討、メディア史の理論的考察などを通じて、文化史におけるナチス美術の意味を明らかにする。(みすず書房HPより)
価格:4,180円 (本体:3,800円+税)
版型:四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数:296頁
ISBN978-4-622-08986-5
発行:みすず書房 2021年3月10日刊
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