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2022-04-08 更新

【茨城新聞・ATM便り】4月4日掲載の記事をアップしました!【4月10日公演】アンドレアス・シュタイアー&アレクサンドル・メルニコフ~シューベルトのピアノ連弾曲を集めて~

茨城新聞で、水戸芸術館音楽部門学芸員が月1回寄稿している「ATM便り」。4月4日掲載の記事を転載します。今回は「アンドレアス・シュタイアー&アレクサンドル・メルニコフ~シューベルトのピアノ連弾曲を集めて~」にちなんだ記事です。
 


師弟デュオの音色を
 
 新型コロナウイルスの感染拡大防止には、引き続き入念な対策が求められますが、一方で社会・経済活動を少しずつ戻していこうという動きも活発化しています。そのような中、昨年12月から原則として停止していた外国人の入国が可能になり、海外アーティストによるコンサートも行われるようになってきました。

 水戸芸術館でも、4月10日(日)にはアンドレアス・シュタイアー、アレクサンドル・メルニコフという2人のピアニストによる連弾のコンサートを開催します。この2人、それぞれがトップクラスの名手としてヨーロッパで活躍していますが、実は師弟の関係でもあります。

 シュタイアーは1955年生まれ。現在は古楽演奏(チェンバロやフォルテピアノなど、曲が作られた時代に応じた楽器を当時の奏法で演奏すること)での活動がメインですが、デビュー当時は「バックハウスやケンプ以来の、ドイツ音楽を代弁するピアニスト」と称された本格派。スタインウェイなど現代のピアノの演奏にも長けています。

 そのシュタイアーに師事したメルニコフは、1973年生まれ。師の芸術性を受け継ぎ、あらゆる時代の楽器を弾きこなす奇才です。2018年には、演奏する曲に応じて4種類のピアノを弾き分けた異色のアルバムを発表し、話題になりました。

 今回のコンサートでは、この鍵盤楽器界きっての”師弟デュオ”が、シューベルトの連弾曲を披露します。そもそも連弾のコンサート自体めずらしいと言えますが(水戸芸術館でも連弾曲のみのコンサートは初めて)、これだけの世界的名手2人が1台のピアノ(今回は水戸芸術館所蔵のスタインウェイを使用)に向かって並んで弾くとなれば、なおさらです。

 ピアノを弾く人にとって、先生や友達との連弾は、一人で演奏するのとはまるで違う音の広がりが体験でき、とても楽しいものです。一方で、互いの音をよく聴き、息の合った演奏を行うのは大変難しいことと言えます。シュタイアーとメルニコフという”師弟デュオ”が、連弾の世界に新しい光を当ててくれるのではと期待しています。
 
水戸芸術館音楽部門主任学芸員・関根哲也
 
 


公演情報

アンドレアス・シュタイアー&アレクサンドル・メルニコフ
~シューベルトのピアノ連弾曲を集めて~

4/10[日]15:00開演
水戸芸術館コンサートホールATM
全席指定:一般6,000円、U-25(25歳以下)2,000円
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