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2024-07-18 更新
【茨城新聞・ATM便り】7月11日付の記事を掲載しました~0歳からのわくわくオルガン・コンサート~
茨城新聞で水戸芸術館音楽部門が月1本のペースで連載しているコーナー「ATM便り」。7月11日掲載の記事を転載します。今回は8月12日に開催する0歳からのわくわくオルガン・コンサートなつ★オルガンに関する記事です。
楽器紹介、手あそびも
ポジティブ・オルガンという楽器をご存知でしょうか。陽気な楽天家が演奏するオルガン……ではありません。パイプオルガンの一種です。
パイプオルガンには、大小さまざまなサイズのものがあります。水戸芸術館エントランスホールにあるような巨大なものから、ひざの上に乗せて演奏できるくらいの小さなものまであります。このうち小さなほうは、「ポルタティフ・オルガン」と呼ばれます。「ポルタティフ」はドイツ語で、ポータブルという意味です。
ポジティブ・オルガンはちょうどその間くらいの大きさです。つまり、いくつかのパーツに分解すれば運べないこともないけれど、それなりに大きなオルガンとでも言えるでしょうか。とくに十五~十八世紀頃の西洋音楽では、伴奏の和音を即興で演奏するパート(「通奏低音」と呼びます)などで大活躍しました。
ちなみに、この「ポジティブ」もドイツ語が由来なので、「ポジティーフ」と発音することもあります。
水戸芸術館コンサートホールATMで8月12日に開かれるコンサート「0歳からのわくわくオルガン・コンサート なつ★オルガン」では、ポジティブ・オルガンを存分にご堪能いただけます。
演奏するのは、のべ二万人以上の水戸の子どもたちにパイプオルガンの魅力を発信し続けており、子どもたちまで含めた絶大な人気を誇るオルガニストの浅井美紀さん。浅井さんとコラボするのは、幼い頃に少年少女合唱隊で歌の楽しさに目覚めて以来、古楽からオペラ、ミュージカルにいたるまで多彩なジャンルで活躍しているソプラノ歌手の大田茉里さんです。
小さなお子様にもおなじみの「南の島のハメハメハ大王」「アイスクリームのうた」といった童謡から、楽器紹介のコーナー、手あそびのコーナー、みんなで一緒に歌う「うみ」まで、盛りだくさんの内容でお届けします。
公演予定時間が約45分とお手軽なのもうれしいところ。水戸芸術館で、夏の暑さを「ポジティブ」に吹き飛ばしましょう!
水戸芸術館音楽部門学芸員・角増 柊