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    2026-03-12 更新

    【茨城新聞・ATM便り】3月12日付の記事を掲載しました~小菅 優「ソナタ・プロジェクト」 Vol.4(最終回)黄昏~

    茨城新聞で水戸芸術館音楽部門が月1本のペースで連載しているコーナー「ATM便り」。3月12日掲載の記事を転載します。
    今回は、3月22日(日)に開催する「小菅 優「ソナタ・プロジェクト」 Vol.4(最終回) 黄昏」に関する記事です。

    演奏会は、3月22日(日)、15時開演。
    出演は、小菅優(ピアノ)です。
    チケットは、【全席指定】一般4,000円 U-25(25歳以下・要身分証提示)1,500円。
    皆さまのご来場をお待ちしております。


    大作曲家 黄昏の景色

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     わが国を代表するピアニストの一人で、水戸芸術館専属楽団「新ダヴィッド同盟」のメンバーでもある小菅優さんは、2023年から「ソナタ・プロジェクト」に取り組んできました。小菅さんならではの視点で数多のピアノ・ソナタの中からテーマに沿った作品を厳選し、名作に新たな光を当ててきました。
     いよいよ最終回となる第4回のテーマは「黄昏」です。大作曲家たちが晩年に作曲したピアノ・ソナタが取り上げられます。小菅さんは「”ソナタ中のソナタ”が並んでいるプログラム」と語っています。
     最初に演奏されるのは、モーツァルトの《ソナタ第18番ニ長調 K.576》。作曲家がこの世を去る2年前の1789年に書かれた作品で、複数の声部が独立して動く対位法が多用されたり、高度な演奏技術が要求されるなど、新たな試みも刻み込まれたソナタです。小菅さんはモーツァルトの晩年の音楽の美しさに「訪れない春を待つようなものを感じる」と述べています。今回小菅さんが聴かせてくれるモーツァルト最後のソナタには、どのような詩情が漂うのでしょうか。
     次に、ピアノ曲《舞踏への勧誘》や歌劇《魔弾の射手》で知られるドイツの作曲家ウェーバーの《ソナタ第4番ホ短調 作品70》が演奏されます。死の4年前、1822年に書かれたこの作品は、今日コンサートで弾かれる機会は多いとは言えませんが、「晩年の特別な深さを持っている」と小菅さんはこの作品を愛してやみません。
     3年にわたった「ソナタ・プロジェクト」は、シューベルトの最期の年(1828年)に作曲された《ソナタ第21番変ロ長調 D960》によって締めくくられます。楽譜にあるリピートの指示をどう処理するかにもよりますが、全4楽章の演奏に45分ほども要する大作です。プロジェクトの当初からシューベルトの最後のソナタをゴール地点と定め、この「人生のすべてを語っているような音楽」をめざしてきた小菅さんは、どのような黄昏の景色を見い出すのでしょうか。そして、それをどう私たちに示してくれるのでしょうか。プロジェクトの集大成となる名演にご期待ください。
     
    水戸芸術館音楽部門芸術監督・関根哲也