セバスチャン・ジャコー&吉野直子
2024年6月22日(土) 14:30開場・15:00開演
こんなデュオが聴きたかった!
フルートの貴公子とハープの女王が水戸芸術館に降臨
水戸室内管弦楽団(MCO)のメンバーになることが正式に発表されるのとほぼ同時に、セバスチャン・ジャコーがベルリン・フィルの首席奏者に就任するというニュースが世界を駆けめぐりました。それは2022年秋のこと。ジャコーは一躍時の人になりました。もっとも、先日逝去した小澤征爾・第2代水戸芸術館館長はセイジ・オザワ松本フェスティバルにおいてジャコーが20代の頃からその演奏を高く評価し、サイトウ・キネン・オーケストラに迎え入れていましたし、280年余の歴史を持つ名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者もジャコーは歴任していますので、着実にスターダムを昇って行ったと言うのがふさわしいかもしれません。何はともあれ、いま世界がもっとも注目する“フルートの貴公子”です。
MCOメンバーとしても煌びやかなフルートを聴かせてきたジャコーが、初めて水戸芸術館でリサイタルを行うにあたり、パートナーとして選んだのがハープの吉野直子。あらためてご紹介するまでもない“ハープの女王”ですが、昨年もMCO第111回定期演奏会への参加(マルタ・アルゲリッチとラヴェルのピアノ協奏曲を共演)、バボラーク・アンサンブルとの共演などで、聴衆の記憶に永く刻まれるであろう名演を聴かせてくれました。
プログラムは、フォーレ〈シシリエンヌ〉、ビゼー〈メヌエット〉といった耳なじみのいい小品から、オペラティックな興奮が味わえるボルヌ〈カルメン幻想曲〉、フルートとハープの響きの美しさを極限まで追求したオルウィン〈水の妖精〉、そして作曲者の自然に対する透徹した眼差しが音の背後に透けて見えるような武満徹〈海へIII〉まで、聴きどころ満載です。フルートの貴公子とハープの女王による夢のデュオを心ゆくまでお楽しみください。
【曲目】
モーツァルト:ソナタ ヘ長調 K. 13
テレマン:無伴奏フルートのための12のファンタジア TWV40: 2-13 より 第3番
J. S. バッハ:フルート・ソナタ ホ長調 BWV1031
オルウィン:幻想的ソナタ〈水の妖精〉
武満 徹:海へIII ~アルト・フルートとハープのための~
ダマーズ:シシリエンヌ・ヴァリエ
ドビュッシー:小舟にて (〈小組曲〉より)
フォーレ:シシリエンヌ 作品78
ビゼー:メヌエット (〈アルルの女〉第2組曲より)
ボルヌ:カルメン幻想曲
【アンコール】
山田耕筰(矢代秋雄 編曲):この道
イベール:間奏曲