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2015-10-12 更新

茨城新聞「ATM便り」 小曽根真さん 関連記事掲載!

コンサートホールATMから旬な話題をお届けしている茨城新聞の「ATM便り」。今朝の新聞では、10/18(日)に開催する「小曽根真 プレミアム・ジャズ・ライヴ」に関連した話題を載せていただきました!ぜひお読みください♪

なお本公演のチケットは、おかげ様で完売いたしました。キャンセル券等がありましたら、公演当日の朝9時30分より電話受付いたします。(10時を過ぎても残席がある場合はエントランスホール内チケットカウンターでも販売いたします。)


ATM便り「遊び心あふれる音楽」

「人生は予期せぬ出来事の積み重ね。僕らが生きる様をそのまま音楽という言葉で表現したものが「ジャズ」ではないかと僕は思っています。演奏者でさえ次の瞬間に何が聞こえて、どちらに進むかわからない。わからないから面白い!」。

これは日本が世界に誇るジャズピアニスト、小曽根真さんの言葉である。小曽根さんは1983年、名門バークリー音楽大学ジャズ作・編曲科を首席で卒業。同年カーネギーホールでリサイタルを開き、米国CBS レーベルと日本人初の専属契約。ジャズの本場アメリカでデビュー後、現在に至るまで、その最前線で活躍している。

誰もが身体を揺らしたくなる極上のスウィング感、インスピレーション豊かな即興、磨きぬかれた美音。その魅力は枚挙にいとまがないが、近年特筆すべきなのは、クラシックなど異ジャンルの音楽との架け橋になる演奏活動だ。

昨年は日本人ジャズピアニストとして初めて、ニューヨーク・フィルハーモニックとその本拠地で共演。ガーシュウィン「ラプソディー・イン・ブルー」の演奏を、ニューヨーク・タイムズ紙は「クラシックのテクニックとジャズの自由な表現を存分に発揮」と絶賛した。またスコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラとは、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノム」を原曲に自身の曲想をくわえた、独自の楽曲を披露。モーツァルトならではの音楽の喜びを活かしつつ、ジャズの即興性ももりこみ、遊び心あふれる音楽世界が拓かれた。

小曽根さんは以前、「僕が目指しているのは音楽の共存。ジャズこそ自由な音楽だと思っていたが、クラシックには奥深い部分での無限の自由があることを発見した」と語っていた。その演奏からは、双方への敬意を抱きながらも、ひらりとジャンルの壁を越えて音楽そのものの可能性に挑む、越境者の姿が感じられるのだ。

今度のライヴでは、小曽根さんならではの、自由というもののエネルギーに満ちた音の冒険を、思いきりお楽しみいただきたい。

 

水戸芸術館音楽部門学芸員・高巣真樹