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  • 美術

2015-12-14 更新

西村浩 ワークショップレポート ー 21世紀の新しいまちづくり ー

12月5日 ギャラリー内ワークショップ室では「発明の時代へようこそ!ー21世紀の新しいまちづくりー」と題しまして建築展8室で展示しております、西村浩さんのワークショップが開催されました。

ギャラリー8室では金沢でのワークショップの様子が映像でながれていたかと思いますが、今回水戸でもトーク終了後、芝生リノベーションのワークショップを行いましたよ。

なぜ芝生をひくのか?ということについて疑問に思うところではありますが、そのことについては西村さんのトークで語られました。

お話が面白かったので、是非とも皆様にかい摘んで(てら坊解釈で)お届けしたいと思います。

まず、現代のまちづくりとは何だろうというところからお話は始まります。

大切なのは「お宝の編集」だと西村さんはお話されていました。

よく聞き慣れた言葉でいうところの「地域資源」をどのように活用するかということだと思います。

夏に行った「ReMito100」なんかは、活用まではいきませんが、地域資源の発掘のようなものだったのではないでしょうか。

そういった時に現在の街中の状況を思い出してみましょう。

水戸のまちなんかは、、、駐車場だらけとか?、、、

全国的にみると空き家の総数は820万戸(13.5%)あるらしく、土地を管理する側からすれば、駐車場もしくは太陽光パネルにするほうが利益があがるため、あき地的な場所は増え続けているそうですよ。

西村さん曰く実はそれがまちの悪循環を生む原因ともなっているそうです。

例えば皆さん、ざっくりでいいです。どんな場所に自分は住みたいですか?
もしくは、自分がお店をオープンするとしたらどんな場所がいいですか?
イメージしてみてください。

、、、うむうむ。なるほど。

交通機関の充実、人が集まっている、買い物も近くですませられて、お子さんが居る方は近くに子供が安全に遊べる公園があって、、、etc

少なくとも、その真逆はやですよね、、、人はいない、人が集まる場所がない、空いてるいる店がない(テナント募集なんて張り紙が貼られてたりする)、人の目が少ない公園、、、etcって水戸じゃん(汗)。

そんな場所だれも住みた気持ちにはあまりなれません。テナント募集の張り紙が並んでる場所にお店出しても儲からなそう、、、これが悪循環というものらしいです。

そんなあき地の価値を原っぱで引き上げ、地域資源をうまく活用して新しいまちの価値観を生み出す方法を発明しよう(ギャラリー8室に展示中の「わいわいコンテナプロジェクト 原っぱ」)というところが、今回のトークの中心でした。

だんだんと芝生に近づいてきた気がしますね。

わいわいコンテナプロジェクトは、5年前から建築家である西村さんが、地元でもある佐賀市と共にある商店街で行った活性化の実験です。

西村さんがこの商店街を久しぶりに訪れたとき、まちづくりのイベントは頻繁に行われているにもかかわらず、ひどい廃れようだったそうです。

原因は行政や団体が行うまちづくりの政策が、まちづくりとしての機能を果たせていなかったところにあるようです。

そういえば、てら坊も思うところがあります。昨今まちづくりがイベント化しているように思うのです。楽しいですが、どうも効果を感じたことはありません。(もちろん1日2日でよくなるようなものではありませんが、、、)。

割愛してしまいますが、西村さんがまちづくりで重要だと念をおしていたことは、いかに住民が(主体的に)まちづくりに参加するか、そしてコストを抑えるかということでした。

行政の手は借りず、住民の手でどこまで作り上げるかが愛されるまちになるかどうか、とても重要な点ということでしたよ。

また西村さんは原っぱをボランティアで整備するそうです。

造園屋さんにお願いするとコストがかなり上がってしますけれど、芝生を貼ることははそこまで難しくないし、みんなで貼ればすぐ終わる。愛着もわく。ということで、みんなの原っぱだからみんなで整備する、という全て自分たち(その地に住む人)でつくりあげていくというセルフメイド精神が、まさにこのプロジェクトの根幹とも言えるし、現代のまちづくりに最も求められていることなんではないかとてら坊感じます。

是非ともまちづくりに携わる方には、一度西村さんが行ったまちづくりの実験の話を一事例として聴いて頂ければと思いましたよ。

また2016年6月24日[金]ー9月25日[日]には東京港区赤坂にあります「21_21 DESIGN SIGHT」 にて西村浩さんが展覧会ディレクターを務める「土木展(仮)」が開催予定ですので、興味ある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

ということで、芝生をはる行為はセルフメイド精神を象徴する行為だったわけです。かなりざっくりとかいつまんでトークの様子をお伝えいたしました。

ワークショップの様子はギャラリー8室で展示しておりますので是非ともご覧下さいませ。