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2025-04-30 更新

【茨城新聞・ATM便り】4月28日付の記事を掲載しました2025年度音楽部門主要企画

茨城新聞で水戸芸術館音楽部門が月1本のペースで連載しているコーナー「ATM便り」。4月28日掲載の記事を転載します。今回は2025年度に開催するピアノ公演に関する記事です。



ピアノの巨匠 集中公演


 1990年に開館した水戸芸術館。初代館長に吉田秀和氏を迎え、新しい芸術文化を創造して発信すると共に、市民の皆さまの芸術文化活動の拠点となることなどを基本理念としてスタートしました。それ以来、音楽部門では、水戸室内管弦楽団(MCO)をはじめとする専属楽団の企画、ここでしか聴くことのできないオリジナル企画、国際的に活躍する演奏家を招聘する企画、そして地域の芸術文化の拠点としての企画を実施してきております。
 開館から35年が経ち、この間に吉田秀和初代館長から小澤征爾第2代館長へとバトンが渡されましたが、小澤氏も昨年2月に逝去されました。そして、昨年11月には片山杜秀氏が新館長に就任し、水戸芸術館は新しい一歩を踏み出そうとしております。
その2025年度の音楽部門の企画の柱の一つが、現代を代表するピアノの大巨匠の公演を集中的に取り上げる、「現代ピアノの巨匠たち」シリーズです。同シリーズは「オーケストラ編」と「リサイタル編」に分けてお届けします。
「オーケストラ編」は、水戸室内管弦楽団の2つの定期演奏会が該当します。第115回定期演奏会(5月16日・17日)には、指揮者の広上淳一氏を迎えるとともに、もはやMCOの盟友とも言えるマルタ・アルゲリッチ氏が登場します(チケットは予定枚数販売終了)。そして、第116回定期演奏会(11月1日・2日)では、とりわけベートーヴェン作品の演奏で国際的な評価を集めているルドルフ・ブッフビンダー氏とMCOとの初共演が実現します。
 「リサイタル編」では、内田光子氏(10月25日)とクリスチャン・ツィメルマン氏(12月14日)によるピアノ・リサイタルをお届けします。内田光子氏はリサイタルを行う会場と回数を非常に限定しているために、その主催者たちの希望が叶えられることはあまりありません。そのような状況の中、吉田秀和初代館長の要望に応えて、また小澤征爾前館長との絆から、内田氏は継続的に水戸芸術館でのリサイタルを行ってくれています。一方のクリスチャン・ツィメルマン氏も、小澤征爾前館長とは深い友情で結ばれており、水戸芸術館でのリサイタルは「セイジゆかりのホールでの特別なもの」として大切に想ってくれています。ピアノ演奏の理想に向かって一切の妥協を許さない、内田光子氏とツィメルマン氏のステージにもご期待ください。
 
水戸芸術館副館長・中村 晃