中田喜直の“うた”の世界
~生誕100年に寄せて~曲目構成・お話・ピアノ:塚田佳男
2023年9月18日(月・祝) 13:30開場・14:00開演
〈めだかの学校〉〈夏の思い出〉〈ちいさい秋みつけた〉など子どもから大人まで広く親しまれている童謡・唱歌から、日本語の美しさが際立つ歌曲・合唱曲まで、“うた”の作品を中心に3000近くの曲を世に送り出した中田喜直。終戦後まもなく本格的に作曲活動を開始し、2000年に他界するまで作曲のほかにも合唱の指導や普及にも尽力し続けた中田は、戦後日本の時代の移り変わりをつぶさに感じ取ってきた音楽家といえるでしょう。
中田の東京音楽学校(現・東京藝術大学)の同期であり、水戸芸術館音楽部門総監督も務めた声楽家・畑中良輔氏は、「中田喜直とは何か、と聞かれるたびに私は『やさしさ』と答えてきた」と語っています。その言葉どおり、中田の作品の根底には「やさしさ」の川が流れているように感じられます。どれだけ時代が移り変わっても私たちの心の奥底にある温かな気持ち――そんな感情を思い出させてくれる中田作品の数々を、生誕100年の節目にお届けします。
曲目構成・お話・ピアノは日本歌曲演奏・解釈の第一人者であり、水戸芸術館でも畑中氏とともに日本歌曲の企画に携わってきた塚田佳男さん。歌手には茨城出身のソプラノ・小泉惠子さん、バリトン・清水良一さんをはじめ、ソプラノの田坂蘭子さん、テノールの布施雅也さんを迎えます。いずれも日本歌曲の分野で最も権威ある「奏楽堂日本歌曲コンクール」で第1位受賞歴を持つ歌手たちです。塚田さんと共にピアノを受け持つ田中悠一郎さんは、同コンクールで優秀共演者賞に3回輝いたピアニスト。生誕100年の記念にふさわしいトップレベルの演奏家たちによる、心に響く中田喜直の“うた”の世界をじっくりとご堪能ください。
【曲目構成・お話・ピアノ】塚田佳男
【出演】
小泉惠子(ソプラノ)
田坂蘭子(ソプラノ)
布施雅也(テノール)
清水良一(バリトン)
田中悠一郎(ピアノ)
【プログラム】(作曲は全て中田喜直)
不朽の歌曲集~初期の作品より
《六つの子供の歌》[1947]
1. うばぐるま(西條八十・詩)
2. 烏(小川未明・詩)
3.風の子供(竹久夢二・詩)
4.たあんき ぽーんき(山村暮鳥・詩)
5. ねむの木(野口雨情・詩)
6. おやすみ(三木露風・詩)
《海四章》(三好達治・詩)[1947]
1. 馬車 2. 蝉 3. 沙上 4. わが耳は
《四季の歌》(畑中良輔・詩)[1949]
1. 春の歌 2. 夏の歌 3. 秋の歌 4. 冬の歌
《“マチネ・ポエティク”による四つの歌曲》(1950)
1. 火の島(福永武彦・詩) 2. さくら横ちょう(加藤周一・詩)
3. 髪(原條あき子・詩) 4. 真昼の乙女たち(中村真一郎・詩)
ラジオ・テレビから流れた季節の歌 ~新しいこどものうた、ラジオ歌謡など~
ちいさい秋みつけた(サトウ・ハチロー・詩)
夕方のおかあさん(サトウ・ハチロー・詩)
お月さんと坊や(サトウ・ハチロー・詩)
かわいいかくれんぼ(サトウ・ハチロー・詩)
めだかの学校(茶木滋・詩)
ああプランタン無理もない(サトウ・ハチロー・詩)
夏の思い出(江間章子・詩)
夜店の唄(西沢爽・詩)
博多人形に寄せて(清水みのる・詩)
心の窓にともし灯を(横井弘・詩)
雪の降るまちを(内村直也・詩)
この人この一曲 ~中期から晩年の歌曲より~
悲しくなったときは(寺山修司・詩)[1964]
鳩笛の唄(清水みのる・詩)[1974]
月を見ながら(なかにし礼・詩)[1992]
歌をください(渡辺達生・詩)[1991]