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2015-08-07 更新

【ATM便り】平和作文朗読発表会とパイプオルガン・プロムナード・コンサート、8/15(土)に開催!

茨城新聞で毎月1回、音楽部門企画に関連した旬な話題をお届けしている「ATM便り」。

昨日の朝刊に、水戸芸術館で8/15(土)13:30に開催する「あなたに、わたしに、世界にPeace~平和作文朗読発表会とパイプオルガン・プロムナード・コンサート」に関連した記事をご掲載いただきました!

今年は終戦70周年。パイプオルガンの豊かな調べと、小中学生による平和作文朗読に耳を傾け、あらためて平和の大切さを一緒に考えてみませんか?

公演詳細はコチラ
今回オルガンの演奏を担当するのは、福本茉莉さん!武蔵野市国際、ニュルンベルク国際などのコンクールにおいて優勝を果たし、現在ドイツを拠点に世界各国で活動している、気鋭のオルガニストです。

福本茉莉

皆様のご来場、お待ちしております!

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世界を動かす「思い」

今年は太平洋戦争終結から70年目。戦争と水戸空襲の記憶を後世に伝え、平和の大切さを考えるイベント「ぴ~すプロジェクト」が、水戸市平和記念館、水戸市立博物館、水戸芸術館にて開催されます。芸術館では8月15日に「平和作文朗読発表会とパイプオルガン・プロムナード・コンサート」を行います。

パイプオルガンと平和について考えるとき、この日本で、まさに世界平和への切なる願いが込められて設置された楽器があるのをご存知でしょうか?場所は、広島の世界平和記念聖堂。多くの原爆被害者を弔い、人類の友情と平和のシンボルとして発案されたもので、趣旨に賛同する世界各地からの寄付・寄贈品が集まって1954年に完成した、国の重要文化財です。そこに、当時の日本では希少だった本格的なパイプオルガンが設置されたのです。この楽器は、第二次世界大戦によって同じく戦争の惨禍を経験したケルン市から贈られたもので、「ケルンと広島、おなじ苦しみに結ばれつつ世界平和のため共に働き共に祈る」という祈りが刻まれているそうです。

1954年にここを訪れ、除幕式にてパイプオルガンを演奏したのが、20世紀の偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ。その力強いスピーチを一部ご紹介します。「波乱にとんだ今の時代ですが、広島の平和記念聖堂にパイプオルガンが作られる、と知った瞬間ほど感動したことはまれでした。パイプオルガンはよく『楽器の王様』と呼ばれます。確かに『王者』には違いありませんが、目には見えない『平和の王冠』をかぶった王様です。」

広島に限らず、この地球上には戦禍や自然災害を被りながらも、人々の平和への祈りを象徴するように、今も美しい音色を奏でているパイプオルガンが各地に存在します。この夏は水戸で、そんなパイプオルガンの豊かな調べと、小中学生による平和作文朗読に耳をかたむけてみませんか。一人ひとりの想いが、いつの日か世界を動かす力になるはずです。

 

(水戸芸術館音楽部門学芸員・高巣真樹)