- 美術
2016-11-30 更新
茨城県北芸術祭に行ってきました!【山側編】

皆様こんにちは
クリスト展ものこすところ約1週間となりました。
皆さま是非ともご覧くださいね。
ところで県北芸術祭が一足先に終了いたしましたが、、、皆さまどのくらい見れましたかね。
てら坊はすべりこみで山側も見てきましたのでその様子を割愛しつつ、印象に残った作品をお伝え致します。見れなかったー!という人も僕のブログを見て体感して頂ければ幸いです。
それでは山側編です、、、。
まずはてら坊のホームタウンでもある常陸大宮市から見ていくことにします!
118号線をとにかくまっすぐ進むと、常陸大宮市の市街地には入ります。(大きな坂を登って、ジャスコが見えます、、、。)
この通り沿い、ゲームセンターの跡地にあるのがミヒャエル・ボイトラーさんの作品です。
ガラス張りのファサードが印象的な旧ゲームセンターなのですが、そのガラスの向こうに巨大な障子の筒(てら坊の目測だと高さ7m、幅6mくらいかな?)のようなものが見えます。
この作品、驚いたことが3点!
皆さんは何だと思いますか?
1つ目驚いたのが、その巨大な筒が音も立てず静かに回っているということ
2つ目驚いたのが、筒の中に神社的な建物が建っていたということ
3つ目驚いたのが、その神社的な建物が、み、み、水の上に浮いていたということです。
オォ神よ!!
係りの人に話を聞くと、、、神社的建物と周りの障子筒が一体になった造作が水に浮いていることにより、人が押した力だけで回転する。とのことでした。どうやらミヒャエル・ボイトラーさんは、展示する周辺の地域で集めた素材で、即興的に大きなインスタレーションを制作する方らしいです。
今回の県北の展示では、宮大工に挑戦したということで、このような神社的建物や障子のようなイメージが出来上がっていったのではないのでしょうか?
巨大なものが動いているため、自分が回っているのか周りが動いているのか、感覚が狂わされ不思議でした。またガラス張り部分から差し込む光が、地面に障子の影を映し幻想的でした。体験としてとても神秘的な体験ですので、ここは是非見て欲しいと思います、、、あ、もう会期終了してるや。
さてそのまま118号を延々と直進します。
途中、かわプラザという道の駅、美和中という場所にも作品が設置されていますが、ここは割愛します。続いてご紹介するのは、旧家和楽青少年の家に展示してあります、ザドック・ベン=デイヴィッドさんのブラックフィールドという作品です。
ここはてら坊が県北で鑑賞した作品の中でも1番印象に残った作品です!!
体育館のような場所にこの作品は展示されています。
締め切られた扉が開くと、黒い茂みが体育館の真ん中に現れます。
実はこれ1本1本が小さく繊細な金属製の草花の切り抜きでできているのです。その数2万7千本!! おふ。
展示室を対面に進み、振り返りますと、、、そこには黒い茂みではなく、色鮮やかな野原が広がっているではありませんか!壮観!!
振り返れば、色鮮やかな景色、、、
まるで人生のようですね、、、(振り返るには早すぎた)
この作品は様々な文化的背景を持つ人々たちによって、それぞれが塗装されているため、一つとして同じ色の草花はないそうです。
はじめモノクロに見える世界でも、その向こう側、裏側には色鮮やかな世界が広がっているというのは、多様な事柄、人、が共存することで世界が形成されている事を示唆しているそうですよ。なるほど。
そのシンプルな美しさがさらに作品の意味を強めるとても良い作品でした。
場所の雰囲気ともマッチしていたので、なおさらでしたよ。
さて続いては大子町に入ります。
大子町の作品で楽しみにしていたのは、妹島和世さんが設計した足湯です。
旧浅川温泉に設置されたこの作品は、10月中旬から公開でしたので、県北に行った方でも見れていない人もいるのではないでしょうか。
妹島さんの建築のイメージといえば、、、
全面ガラス張りの外観
白、グレー、シルバー
曲線や箱型が多用されている、、、ようなイメージを持っていますが
みなさんどうでしょうか?
そんな妹島さんが作った足湯ですから、てら坊のイメージとしましては
もう足湯なんだか、足湯じゃないんだかわからないようなスマートでかっこいい足湯なんだろう!全面ガラス張りなんかで、、、
なんていう建屋の想像を膨らませながら向かいました。
すると急な坂を登った先にドンと姿を現したのは、、、、
銀色の巨大なお皿(人によってはUFOという人もいました)でした!!
てら坊の目測で直径6mくらいのお皿にはお湯が、並々溜まっており真ん中からお湯が出ています。
入ってみると、温度は40度くらいかな?丁度いい温度でしたよ。
はじめは、なんかもっとすごい建物を想像していたので、ちょっとがっかりかなぁ、、、と思っていたのですが、足湯に実際入ってみると、足湯の形が円になっていますので、みんなで囲むような形で、団欒しながらあったまるのはいなぁ〜と思いました。
また、足湯の奥の風景が草原?と言えばいいでしょうか、、、山の始まり口と言いえばいいでしょうか、、、、銀色の足湯と背景のミスマッチ感が不思議で、外から見る絵も興味深いものがありましたよ。
この辺りで、もう結構いい時間でしたので、118号線を折り返します。
ということで、最後は日本3大名瀑の一つでもあります、袋田の滝に向かいます。
到着しますと、紅葉の時期も相まってかかなり混み合っておりました。
袋田の滝の作品は、滝に向かう途中のトンネルの中に設置されております。
ジョン・へリョンさんの「連鎖的可能性—袋田の滝」という作品です
滝へのチケットを購入しいざトンネル内へ、、、
トンネルの先がカーブしているのですが、何やらカーブの奥が怪しく赤く光っておりました。もうこれだけで期待がかなり膨れ上がります。
いざ行ってみると、何ということでしょう!
トンネルの天井部には、ぐねぐねと入り組んだ赤光の帯が!それも長々と続いているではないでしょうか!
光の帯は、心臓の鼓動のように灯っては緩やかに暗くなり、また灯り、、、を繰り返しています。トンネルが薄暗いということもあり、赤い光の帯に誘われどんどんと奥へと誘導されているような感覚でした。
途中赤からカラフルな光へと変化します。一旦そこで振り返ると、それもまた光の残像を見ているかのような貴重な鑑賞体験でありました。トンネル空間という一見展示に適さないような特殊な場所を逆手にとった、まさに芸術祭ぽい作品だなと思いましたよ。
もちろんそのあと袋田の滝も見ましたが、3大名瀑に劣らない衝撃のあるとても面白い作品でしたー!
ということでここまで、ざっと県北芸術祭に行ってきた様子をお伝えしてきました。残念ながら、山側は会期中にアップすることができませんでしたが、行けなかった場所がある方は参考にしてくださいね。
特に今回てら坊が海山と回ってみて感じたことは、、、
まず、県北広い。
茨城に住んでいてなんですが、こんな行くのに時間かかったっけ?と思う瞬間が2、3度ありました。ずっと茨城に住んでいるので、もうある程度名所は知ってる。と思っていましたが芸術という異なった角度からこの田舎の見慣れた景色を見ると、ロケーションやその土地どちの風習や文化的、政治的な背景が見えてきて面白いものでした。
また作品に関しては、やはり芸術祭ということもありますので、美術館という整った環境ではない場所、作品を展示するには特殊な空間というのを上手く活かしている作品、展示場所は、鑑賞していても見応えがありました。
という感じです。県北芸術祭次回はあるかな〜、、、。
地元でこういうのがあるとワクワクするの続けてやってほしいなぁ〜
と思うてら坊でありました。