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2016-12-16 更新
【ATM便り】クリスマス・プレゼント・コンサート2016

茨城新聞で毎月1回掲載していただいている「ATM便り」。水戸芸術館コンサートホールATMでのコンサートやイベントに因んだ読み物を、水戸芸術館音楽部門学芸員が分担執筆しています。
12月15日付の記事は、12月23日(金・祝)に開催する「クリスマス・プレゼント・コンサート2016」に因んだ話題をお届けしました。
23日の本番に向けて、出演する高校生たちは学校で、ホールで、集中した練習を重ねています。誰もが知っているクリスマス・ソングも何曲もあります。しかも、今回取り上げる合唱アレンジはとても美しくて、でも歌うのは結構難しいんです! 高校生たちの合唱に、どうぞご期待ください! チケット好評発売中。残席少なくなってきております。
ATM便り 2016年12月15日号
聖夜に清らかな歌声
12月から水戸芸術館のエントランスホールには、アーティストの日比野克彦さん制作の朝顔のツタによるクリスマス・リースが飾られています。
「クリスマス・プレゼント・コンサート」にいらっしゃるお客様もきっとご覧になることでしょう。今年のコンサートでは、このリースのそばでハンドベルが演奏されて、コンサートホールの開場を告げます。
演奏は、茨城県立水戸第二高等学校コーラス部の部員たち。合唱コンクールの全国大会にも何度も出場してきた高い実力をもつ合唱団です。
今回はハンドベル演奏のほか、コンサートホールでの合唱、さらに終演後には再びエントランスホールに移って、〈きよしこの夜〉など、クリスマスに因んだ合唱曲をパイプオルガンの伴奏で歌います。
高校生たちの、子どもの声でも大人の声でもない、この年齢にしか出せないみずみずしい歌声で、清らかな音楽をどうぞお楽しみください。

水戸第二高等学校コーラス部
「クリスマス・プレゼント・コンサート2013」より
水戸第二高等学校コーラス部は、これまでもたびたび「クリスマス・プレゼント・コンサート」に出演し、イギリスの作曲家ブリテンが作った合唱曲〈キャロルの祭典〉を歌ってきました。
児童合唱のための作品でありながら、子どもが歌うにはとても難しいこの曲を、歴代のコーラス部員は見事に歌いこなしていました。
今年の演奏曲は〈キャロルの祭典〉ではありません。このコンサートの企画者である池辺晋一郎さんからこんな提案がありました。
「クリスマスといえば誰もが知っているような聖歌を、聴き応えのある合唱編曲で演奏できないかな?」
クリスマス・ソングのなかには、ブリテンの〈キャロルの祭典〉のような聖歌(クリスマス・キャロル)でありながら、日本では宗教音楽と認識されていないくらいにポピュラーになった曲が沢山あります。
〈ひいらぎ飾ろう Deck the Hall〉や〈おめでとうクリスマス We Wish You a Merry Christmas〉などは、特に有名でしょう。
今回はこれらの名曲を、キャロルの本場イギリスで長く聖歌隊に関わった作曲家たちによる美しい編曲でお聴きいただきます。
このほかに、日本を代表する豪華な演奏家たちによる多彩なステージやプレゼント抽選会もございます。聖夜の楽しいひとときをぜひ水戸芸術館でお過ごしください。
(水戸芸術館音楽部門学芸員・篠田大基)