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    • 音楽

    2017-11-09 更新

    聖夜に聴きたい! 盛り沢山のスペシャル・コンサート

    池辺晋一郎

    水戸芸術館で毎年12月23日に開催している「クリスマス・プレゼント・コンサート」は、開館以来続いている恒例のコンサート。今年も水戸出身で日本を代表する作曲家の池辺晋一郎さんによる企画と司会でお贈りいたします。

    水戸芸術館の開館以来、20年以上にわたってこのコンサートの企画と司会を務めてきた故 畑中良輔 元音楽部門芸術総監督の後を受けて、池辺晋一郎さん(音楽部門ミュージック・アドヴァイザー)が企画と司会を務める「クリスマス・プレゼント・コンサート」は、今年で5回目となります。
    5年前、池辺さんと初めてこのコンサートの企画打ち合わせをしたときから案としては出ていたものの、ずっと実現していなかったアイディアがありました。
    それはたとえばバッハの《クリスマス・オラトリオ》、あるいはハイドンのオラトリオ《四季》の〈冬〉の部分、などなど。
    つまりクリスマスや冬に因んだ「オラトリオ」(宗教的なストーリーを持った管弦楽付き合唱曲)です。
    なかでも、ヘンデルのオラトリオ《メサイア》は、クリスマスの時期に世界中で盛んに演奏されている定番曲と言えるでしょう。
    イエス・キリストの誕生から復活までのストーリーを管弦楽と独唱、合唱によって綴ったこの大作(全部演奏すれば2時間半!)には、有名な「ハレルヤ・コーラス」をはじめ、数々の感動的な音楽が含まれています。
    今年の「クリスマス・プレゼント・コンサート」で取り上げるのは、この《メサイア》のハイライトです。

    ヘンデル:メサイア
    (「クリスマス・プレゼント・コンサート2012」より)

    想えば、このコンサートの前任の企画者であり、同時に「水戸の街に響け!300人の《第九》」の企画者でもあった畑中良輔さんが水戸のお客様に親しまれ、街に根付いてほしいと願っていた作品が、ベートーヴェンの「歓喜の歌」、そしてこの《メサイア》でした。
    畑中さんが生前最後に企画した2012年の「クリスマス・プレゼント・コンサート」でも、《メサイア》は、「水戸の街に響け!300人の《第九》」に数多く出演してきたバリトンの清水良一さんやエレクトーンの小林由佳さん、あひる会合唱団等の手で抜粋上演されたのでした。

    「クリスマス・プレゼント・コンサート」では5年ぶりとなる今回の《メサイア》は、2012年の演奏メンバーであった清水良一さん小林由佳さんあひる会合唱団のほか、「300人の《第九》」に小林由佳さんとともに出演を重ねるエレクトーンの八谷奈津美さん、さらに今回のコンサートの後半でソロ演奏も披露するメゾ・ソプラノの谷口睦美さんとトランペットの守岡未央さんにも加わっていただくことになりました。
    救世主の到来が予言され、ついにイエス・キリストが生まれるドラマティックな第1部、イエスの磔刑の場面を絵画のようにまざまざと音で描き出す第2部の合唱、華やかなトランペットが魅力的な第3部のアリア、そしてクライマックスを飾る有名な「ハレルヤ」と「アーメン」のコーラス。
    聴きどころ満載の《メサイア》ハイライトを、独唱と合唱、2台のエレクトーンとトランペットという、おそらく水戸のクリスマスにしか聴けないスペシャルな編成でお贈りします。どうぞお楽しみに!

    三浦一馬 ©井村重人

    今回の「クリスマス・プレゼント・コンサート」にはもうお一人、スペシャルなゲストをお迎えします。
    バンドネオン奏者の三浦一馬さんです。水戸芸術館には3年ぶりの登場で、前回の出演は2014年9月の「ちょっとお昼にクラシック」
    そのときはギタリストの大萩康司さんとのデュオで大好評をいただきましたが、今回はソロ(無伴奏!)での演奏です。
    《メサイア》のステージとはがらりと雰囲気を変え、プログラムはもちろんアルゼンチン・タンゴの名曲の数々。
    森山良子のカバーで日本でも人気の〈想いの届く日〉、三浦さんの師匠でバンドネオンの世界的な権威として知られるネストル・マルコーニの〈ティエンポ・エスペラード〉(2010年、三浦さんにより日本初演)、そして巨匠アストル・ピアソラの選りすぐりのタンゴをメドレーにしてお聴きいただきます。
    1台の小さなバンドネオンに秘められた情熱的で濃密な世界をご堪能ください。

    さらにさらに、「クリスマス・プレゼント・コンサート」はとにかく盛り沢山です!
    三浦さんのステージに続いては、《メサイア》の演奏メンバーでもあるメゾ・ソプラノの谷口睦美さんとトランペットの守岡未央さんがソロ演奏を披露。
    ヘンデルや古典派のアリアやコンチェルトには《メサイア》の余韻が感じられることでしょう。
    数多くオペラ(そのなかには池辺晋一郎さんのオペラ《鹿鳴館》も)に出演して高い評価を得ている谷口睦美さんの深い表情をたたえた歌声、日本音楽コンクール第1位の実力派である守岡未央さんの澄んだ音色、どちらも聴き逃せません。

    プレゼント抽選会
    (「クリスマス・プレゼント・コンサート2016」より)

    そして恒例のお楽しみプレゼント・コーナーや、エントランスホールでオルガニストの大山智子さんが演奏するパイプオルガンのミニコンサート(開場前と終演後に開催。守岡未央さんやあひる会合唱団が共演)もございます。

    聖夜の楽しいひとときを、ぜひ水戸芸術館でお過ごしください。

    水戸芸術館音楽紙『vivo』2017年12月号より。一部加筆)